危機の時代の地域と自治体 〜私たちは何をすべきか
第52回神奈川自治体学校
【全体会】 11月24日(日)13:30〜横浜市健康福祉総合センター 4階 ホール
JR・地下鉄 桜木町駅5分、地下道か地上の信号を利用
参加費:1000円
地球規模での温暖化、災害、戦争。
いま、私たちは危機のさなかにあります。この危機を乗り越える地域と自治体づくりが求められています。そのために私たちはどのように考え、行動すべきか一緒に学び合いましょう。
●記念講演 T 「海から見える地球環境の危機」 13:30〜
講師:武本匡弘(たけもと まさひろ)氏
プロダイバー、環境活動家、NPO法人気候危機対策ネットワーク代表
プロフィール:1985年 ダイビング会社設立。 プロダイバーとしてのキャリは約40年。主に環太平洋の海洋環境の変化等を記録し続ける。同時にこの間4団体の環境NPO設立に関わる。2015年より気候変動・海洋漂流ごみの探査等を目的に「太平洋航海プロジェクト」を開始。
自ら操船するヨットによる航海日数は、延べ315日、航海距離は32,300q (2024年6月現在)。(財)日本自然保護協会自然観察指導員、日本サンゴ礁学会会員、グリーンピース ジャパンアンバサダー
●記念講演 U 「戦争国家づくりの現段階と地方自治」 15:00〜
岡田知弘(おかだ ともひろ)氏
京都橘大学経済学部教授・京都大学名誉教授
プロフィール:1954年、富山県高岡市生まれ。1978年、京都大学経済学部卒業。1997年、京都大学大学院経済学研究科教授。2019年、京都橘大学現代ビジネス学部(2021年から経済学部)教授。専攻は地域経済学、地方自治論。主な著書は「地域づくりの経済学入門 増補改訂版―地域内再投資論―」、「公共サービスの産業化と地方自治」、「私たちの地方自治―主権者のための地方自治を求めて―」(いずれも自治体研究社)など多数。
【楽しく学ぶ地方財政講座】 まちの財政を身近なものに━基本を身につけ、住民力・議員力・職員力をアップしよう!━
「むずかしい」と思い込んでいるまちの財政をやさしく学ぶ講座です。財政は主権者である住民のものです。しくみを知り、数字や用語に親しみ、資料を使って、まちの財政に接近します。財政に関心をお持ちの住民、議員、議員を目指す人、自治体職員、皆さまの参加をお待ちしています。
日時:11月10日(日)午前10時〜午後3時30分
会場:横浜市健康福祉総合センター9階904号会議室
講師:内山 正徳氏(神奈川自治体問題研究所副理事長)
定員:20人
内容
●第一講座(午前)しくみを基礎から学ぶ。
資料の紹介、用語や数字に親しむ、国と地方の関係、予算・決算、収入と支出、貯金と借金など。
●第二講座(午後)まちの財政に接近
各自治体の資料(主に決算カード)を使い、まちの財政に接近。経年的にまちの財政の概略を探ります。
●質疑・意見交換
参加費:2000円(会員は1500円、学生・院生1000円)
申込:10月31日までに、氏名と連絡先を神奈川自治体問題研究所へ。
※当日の連絡先:090−6152−9030(内山)
【女性行政分科会】
日時:12月7日(土)13時〜
会場:ピオシテイ6階【桜リビング】 第1研修室
テーマ:「実現しよう!女性の権利を国際基準に」〜CEDAW(女性差別撤廃委員会)日本報告審議から
趣旨:女性差別撤廃条約の実効性を高めるために1999年に国連で採択された付属の条約、女性差別撤廃条約選択議定書を日本政府は批准しようとしていません。
選択議定書は批准しなければ、個人通報制度、調査制度を活用することはできません。
この制度の批准国が女性の人権の前進や成果、ジエンダー主流化にどのようにつながっているかを知ることも重要となっています。
今回の女性行政分科会は、CEDAWの日本審議を受け、日本において女性の権利を国際基準にしていくためには。地方自治体の男女共同参画プランやジェンダー平等プランの改定を機会に女性行政にどのように反映していくのか。地方議会議員や職員、住民の役割は。など考えていく機会にできればと考え企画しました。
ぜひ、ご参加ください。
参加費:700円
【全体会の概要】
<学校長挨拶>
日本の地方自治は危機的な状況です。 6月に成立した地方自治法の改正で特に問題なのは、国による一般的指示権の創設です。 中身は重大事態が発生し、または発生する恐れがある場合において生命等の保護の措置に関し必要な指示ができるということです。重大事態だとか生命の保護という漠然とした条件ですから何でも指示可能なのではないでしょうか。想定外の事態への対応なので立法事実はいらないという乱暴な議論になっています。憲法92条地方自治の本旨を潰すような立法です。2015年の集団的自衛権の安保法制で憲法9条の平和主義がつぶされ、日本学術会議の人事への介入と大学予算の削減で第23条学問の自由、合わせて最高法規98条も事実上潰れている感じです。9条、98条、23条、92条と憲法潰しが順調に進んでいます。憲法潰しの自公クーデター政権ではないか。第33次地方制度調査会の委員の一人が最新の論文で「批判者は権力の乱用になるというけれどもそれは究極的には真理であろう」と書かれていました。
今回の改正による一般的指示権の創設は重大事態の時に国民を見捨てる、あるいは切り捨てる準備ではないかと私は疑っております。大変厳しい状況にありますが、本日は二人の著名なまたご多忙な講師に講演をご承諾いただきました。2人の講師の先生と本日ご参加の皆様に御礼申し上げて開会の挨拶とさせていただきます。
<記念講演T> 「海からた気候変動、気候危機、気候正義」 武本匡弘
僕は研究者でも科学者でもありませんので、目撃者としての話を聞いてください。
使う画像は全て僕の本職である水中画像、全部自分で撮った写真を使って報告をしたいと思います。よろしくお願いします。
かつてはこのように 非常に綺麗な海がたくさんありました。
ところ
が現在はこういう元気な海よりも確実に死に向かっている海の方が多いという現実があるんです。
今からオーストラリア・グレートバリアリーフに行った時の写真、こちらのようにサンゴが死滅してしまってほとんどかガレキ化しているような海の方が地球上では今多いという現実があるんです。これを46年間ずーっと、地獄のような光景を僕は水の中で見てきたんです。中でも沖縄、今から27年前の那覇沖、沖縄本島那覇沖の写真、綺麗ですね。サンゴがまだこの頃はたくさんあります。
ところが、今から4年前に撮影しました。同じところですけども、現在はほとんどガレキ化しています。那覇沖だから都市化が進んでいって珊瑚が死んでるんだろうという風に思われるかもしれないんですが、沖縄本島でなくても珊瑚が海底を覆っている度合い、被度と言いますけれども、まあ10%ぐらいに今もうなっちゃっているんです。では島しょ部、島の方にもっと行けばまだ残っているんじゃないか。実は石垣島近辺は現在 2022年の調査で平均被度7.2%、今年もっとひどくなった。多分5%切っているんじゃないかと言われています。ご存知のようにこれが地球温暖化と言われる気候変動です。これが原因。ただ石垣の場合はご存知のように南西諸島全域が要塞化している中で特に石垣島は、海上保安庁の人たち、もしくは自衛隊のミサイル基地全部で1000名を超す自衛隊員と海上保安官が移住をした建設による赤質流出やその他農業ももちろん関係するんですけれども、これが温暖化に実はとどめをさしているというか、サンゴがどんどん死滅している状況です。 ただ主な原因は 地球温暖化。今、日本の周りの海は地球上で一番熱くなっていると言われています。この濃い赤はもう30度をはるかに超えている海水温です。こんな熱くなってますからとても珊瑚は生きていけない。30度以下でやっとですけれども30度はるかに超えてしまった。このような状況がもう多分この10年から15年ぐらいが一番激しく変化したんじゃないかなという風に僕は思っています。海洋環境の変化は激烈です。
僕自身は28歳の時1985年に独立起業をしてダイビングの専門会社をずっと経営していました。ダイビング会社を経営しながらこの状況を何とかしなきゃいけないということで、1999年にですNPO法人を神奈川県で当時 50番目の NPO でしたけれども、環境NPOを立ち上げて、そして僕の妻です、藤沢市の保育士をやっていたんですが、子供のための環境教育をやりたいので妻に頭を下げてやめてもらってです、公務員だったんですけどやめてもらって、一緒に子供の環境教育、海洋教室を始めました。ところがこの頃からよけい環境が悪くなる一方で、子供に楽しいよ、珊瑚は綺麗だよ、というような話をしながらです、現実はだんだんだんだん子供の目の前から未来がこうずっと消えていくような気がしてならなくなってきたんです。もうダイビング会社の経営とNPO の活動の両立がだんだんできなくなってきてしまったんです。そこで2015年に思い切って、このダイビング会社を国内14支店と支社、海外にはハワイのハワイ島コナ、グアム島にも支店があって、当時社員の方70名、アメリカ人と先住民の社員も入れて80名の社員の皆さんに、この会社をあげてしまった。創業社長が先にやめるなんていう前代未聞の話ですけど、58歳で32年経営をした会社を譲渡しました。それで退職金だけもらいました。退職金を自分に上げてその退職金で環境活動家としてたった一人の活動をするにあたりヨットを買った。実はあのダイビングというのは沿岸域しか潜れないので、風だけで走り、煙を出したり油を使ったりしないヨットで、自分で操船して太平洋全域を見て回る。こういう活動から始めました。太平洋航海プロジェクトと言います。この活動で毎月だいたい長い時は60日、70日航海をしています。今年もつい2週間前に帰ってきたばっかりですけれども、このヨットで太平洋全域を回っていると、もうまさに気候は危機的であることを体感し、目撃してきました。例えばサンゴ。どこ行ってもないです。これ7年前の写真ですけど、今もう全くなくなっちゃっていて当時もう白くなってガレキ化してもうないという光景の中に、魚が1匹も見えない。実は珊瑚礁域の魚はサンゴが死んだらもう生きていけないんです。
今、日本でぶりが北海道で上がっているとか、サンマがなくなったとか、北海道からイカが消えたとかというのは、ある程度回遊して水温で移動しているわけです。乱獲などで少なくなっていることはもちろんですけれども、移動する。でもリーフフィッシュ、サンゴ礁の魚は移動できないんです。ですから、そのまま死ぬしかないということはイコール太平洋に暮らす 島々の人たちは自給自足ができなくなっているんです。
そうなると食べるために現金が必要で、現金が必要になってくると今までそんなような生活じゃなかったんだけれども当然貨幣が入ってくる。お金が入ってくると貧困が生まれたり 経済格差が生まれたり、そして現金を得るために太平洋、特に中部太平洋の島々の子たちはみんな米軍に入ってです、そしてアメリカが仕掛けた戦争に行っていると、こういう現状がある。まさに気候変動から経済のこの格差を生み、そして経済的徴兵って私たち言っているんですけど、このような現状があります。 それに加えて海水面は水温が熱くなると水は膨張して上がってきますから、どんどん島が沈んでいっている。この島では、村長が出てきて一番これ 引いている時でこの状態でこれが自分の家だったと、で島はここまであったんだということを僕に訴えてきました。満潮になるとここに船置いてありますけれども満潮になると島の真ん中まで海が入ってくる。こんなような状況で太平洋の島々はどんどん 海に沈みゆく運命にあるという状況があるんです。そうなると食べるために現金が必要。今までそんなような生活じゃなかったんだけれども当然 貨幣が入ってくる。お金が入ってくると貧困が生まれたり 経済格差が生まれたり そして現金を得るために、中部太平洋の子供たちは、米軍に入隊する。 こういう現状がある。まさに気候変動から経済のこの格差を生じ、そして経済的徴兵という状態が生まれています。
海水温度が上昇すると、水は膨張して どんどん 島が沈んでいっている。ミクロネシア連邦共和国 大統領ヒルダ ハイネさんという人にも この間会ってきました。 僕自身は米国による計67回の核実験の被爆者の人たちを支援するために昔から通っていました 。今度はさらにびっくりする話を聞いた。 これまでは被爆者支援の話が主だったんですけれども この時は、今私が大統領になって一番力を入れているのは、カナダ アメリカ ニュージーランド オーストラリアに難民 要請をしていると 。つまりどんどん 国土が狭くなる運命ですけれども こういう話を聞きました。気候難民。
気候正義、EUでは小学校5年 6年が当たり前のように使っている言葉、 正義の対義語は不正義です 。たった10カ国 程度の国がたくさん二酸化炭素を出して便利で快適な暮らしをしている。全然発電所などない、 非常に自然と共生した暮らしをしている島々、 もしくは東南アジアの人 南米大陸の小国の人たち アフリカ大陸の人たち そういう人たちほど なんと 命と生活を脅かされるような目にあっている 。私たちは悪気がないんだけど、無意識の加害者になっているわけです。私たちの先の世代の子供たちにとってみれば全然明るい未来なんかないんですよ。 やはり彼らに対して不正義なことをしている。気候変動は人権の問題でもあると思うんです。この根底にはやはり平和の問題にも関係してくる。つまりこの根底にあるのは植民地主義や人種差別、グローバリズムという 欺瞞です。人間だけでなく、シロクマ、ウミガメ、などの海洋生物の生存条件を奪いつつある。これは人間のせいだ。北海道の積丹半島の海では昆布が一本も生えていなかった。これを「磯焼け」と言っています。この磯焼けは、日本中の海に広がっています。テングサ、ヒジキは国産のものがなくなっています。これも海水温度の上昇が要因です。せめて1.5℃に上昇を抑えようというのがパリ競艇で決められた国際合意で、現在は1.4℃にまで達している。もう後がない。このままだと若者の未来はない。学者研究者たちに言わせれば1.5°cを超え始めると地球は暴走してしまう可能性が出てくるということです。こういう問題は科学で決着ついてますから。間違いなく人間のせいで地球暑くなっているわけです。私たちは問題を正しく捉え科学に寄り添って何とか対策を得て行動していかなきゃいけない。
太平洋航海プロジェクトを始めて8年目です。父島で出国してマーシャル、ポナペ、トラック、 グアム、サイパン、北マリアナを航海しているんです。航路じゃないので誰にも会いません。太平洋を航海していると、何も見えない、誰にも会わないという中で、朝から晩まで会うものがあるんです。ペットボトルですよ。びっくりしました。たまに島に上陸すると、どこ行っても浜にはペットボトルの山です。それだけではなくて、発泡スチロール、漁具など全部プラスティック、石油で作ったものです。僕は気候変動の探査でこの公開プロジェクトを始めたんだけれども、もうそれどころじゃないぐらい、プラスチックがひどいことになっている。それで一度科学者が乗る調査船に乗りました。国連から来た気候問題の探査官とジャムステックの海洋科学研究機構の科学者と乗った時の写真です。目に見えるペットボトルだけではない、目に見えないプラごみがある。プランクトンネットの中に必ずこうやって入ってきます。見るとパラオに着く前の日に撮ったやつの写真がこれ。こうやってプランクトンに混じって海洋中のマイクロプラスティックが入ってくるんです。どこ行ってもある。なんだと思いますか。これ化繊です。化繊。実は化繊が海洋プラスチックの中で一番多いんです。今、東京湾で毎週やってますけれども、東京湾でも入ってきます。なぜ東京湾で化繊が流れてくるか。皆さんの中でお洗濯ってしたことある人、手上げてみてください。化繊が洗濯の水に混じってどんどん流れていく。それからの台所のスポンジ。これもマイクロプラスチックがすごいんですが、とにかく化繊。これを何とかしなくてはならない。ということで、EUではとっくに話題となっていて、だいぶ商品化も進んでいるし、製品化も進んでいる。フランスでもかなり出回っています。やはりポリエステルから脱却しないといけない。ところが日本は全くダメです。衣類をつくっている会社の役員たちが経団連の歴代の役員となっているので無理でしょう。私たちが何気にやっていることが地球に負荷をかけているということです。この解決は簡単にできる。パリ協定では2050年には化石燃料から製品をつくらないという国際的な取り決めがある。ただ国が本気出さないと、かじを切らないと全然無理。この辺が日本は非常に弱いところです。ここで抑えたいのは、気候問題とこのプラ問題っていうのは全く一緒です。プラスティックは石油から、化石燃料から作っているということ。作れば作るほど、世代のツケになる一方だということです。全部自然とそれから地球に負荷をかけないものでものを作るっていうのは全然難しくないんです。だけどなかなかやろうとしないという現状があります。
さあそこでどうしたら良いか。個人の行動としてどうしたらいいのかということで、僕は女房に相談をして、そして始めたのが藤沢に「エコストア・パパラギ」 というプラスチックを一切使わないぞ、という店を妻と二人で実験的にやってみようということになったんです。なぜかというと、イギリスやそれからアメリカも西海岸の方それからオーストラリア ニュージーランド、あとは ヨーロッパ全体もそうですけれども、プラスチックフリーストアっていうお店は普通に街角にあるんです。いっぱいあるんですよ。ところが日本には一軒もなかった。ということで話題になるからやってみようと。まあ僕自身ずっと会社経営をして海外にも日本にも会社を作ってきましたから、このようなお店作るのは全然まあなんてことはなかったってこともあって、やってみたんだけど、妻と話したのは1年やってダメならやめる。いけそうだったら協同組合にしてワーカーズでやってもらおう。私たちはあくまでも社会実験だから非営利事業を貫こうということで、去年から労働者協同組合という法人経営、法人で運営しています。僕と妻は全くの収益ゼロ、報酬をもらわないとこういうことやってみました。今、6年目です。ということは潰れていない。それで全部量り売りです。一切包装しない。プラのもの、できるだけ使わない。洗剤まで測り売りです。自分で瓶持ってこないと買えない。知らずに瓶を持ってこなかった人には瓶を買ってもらう。これを始めたら、ヨーロッパでは普通なんだけども、日本ではすごいニュースになっちゃって、どんどんどんどん取材が殺到したんです。すごいことになっているぞ、と思ったら世界で一番読まれている新聞の表紙にドカーンと乗ったんです。特集記事です。「新婦人新聞」というんですけど。あれ知ってました?そうしたらまあその新聞を読んだ、と言って全国から人がやってくる。北海道、愛知、茨木の新婦人ですってやってくる。この波がすごい。今もそうですけれども、まあ応援しようということでなんとかやって来れた。ただやはりそういう支援をする人はどういう人かというのを私たちが知っている必要があるんです。新婦人という団体は、ご存知のようにあのNGOで国連が認める、経済生活審議会の協議特別資格を持っている NGOです。僕がアンバサダーをやってますグリーンピースは科学的な知見で意見を出せる、総合資格という協議資格のNGOですけれども、まあこういう女性の団体が、支持してくれるっていう事はやっぱりうかつなことはできない。商品を吟味しようと、そのために例えばサランラップってあるでしょ。サランラップを作ったのはアメリカのダウケミカル社ですよ。枯葉剤を作ったところです。 ベトナム戦争で。僕の親友で坂田雅子という映画監督。旦那があのベトナム戦争で枯葉剤の影響で亡くなってんですよ。米兵だったんです。あの僕らこの枯葉剤の問題ずっとやってきてて、サランラップを意地でもやめようということで、シリコンラップにしようと。こういったようなサランラップ撲滅とシリコンラップの使用。なぜこういうこだわりをするかというと、エコストア・パパラギに来る普通の人たちがこのシリコンラップ、どうしてこんなの売っているのと聞いてきた時に、ワーカーズがこういう話をするんですよ。「実はベトナム戦争で枯葉剤を作っているような会社が作っているんだよと、サランラップをだからやめたいんだ」と、「その名残りはずっとあって枯葉剤の名残りがあって、今のラウンドアップ、フランスのモンサント社、こういうものが子供の健康害したりとかこういうことを今でやってんだ。形を変えて。サランラップみんな使ってていいの。」という話をするんですよ。学習会をやっているので。やっぱりこの運動は社会運動だと、地域に根ざすだけではなく世界に向けて発信しようと、そういうことをやっていて、そしてこれがさっきの亀です。亀スポンジです。かつて海に流したくないというのでアクリルたわしが流行ったんですけど、あれがもうあのプラになっているんです。これはセルロースという廃材、木の廃材やら野菜の芯の部分、そういうもので作ったバイオのスポンジです。これを僕は北海道のちっちゃな工場、そこでしか日本で作ってないので、行ってこの116対1 亀スポンジ。これで今運動をやっているんです。どういう運動かというと、こういうのをプレゼントであげようと。なんでかというと、こういう気候変動の話って、人に青筋立てて言うもんじゃないんです。今日こうやって話聞いて、家に帰って、 「今亀が絶滅しそうで地球の温度が熱くなって大変なことになっている。」というような話を青筋立ててすると、「一体何の宗教だ」という風に言われて引かれちゃうんですよ。特に日本人は気候の問題に弱いもんだから、なんか責められているような気になって、聞いてくれない。そうじゃなくてこういうものをさりげなく人にぽっとこうあげるんです。相手の人が「あらこれ何?116対1って」と、聞いてきたらです、青筋を思い切り立てて「今こんなことになっている」という話をする。これを「気づきのおすそ分け」って言ってんですけどね。聞いてくれまで待っている。このことを実は、藤沢の市立中学でお母さん方が卒業記念講演で僕を呼んでくれて、その後、校生徒にこれを卒業記念で配ってくれたんです。PTAの予算で650名。よし亀の子スポンジ運動をやろうということで始めたら、もうエコストア・パパラギ藤沢に来るお客さんが「100個頂戴。200個頂戴。配るんだ」と。来てくれる。この運動を今だいぶ広がってきて、やっぱり台所用品って毎日使っているので、その都度亀のことを思い出したり地球のことを考えたり、こんなちっちゃなことでいいと。使ってて楽しい、あら使いやすい、そういう風になることが実は大事です。この気候運動とていうのは我慢したり不便なことをやろうとするのは間違いですからね。続かないです。 エアコン温度を少し上げようかです、こまめに部屋の電気を消そうとか、まあやって悪いことはないんだけれども、こんなことはやっても追いつかないぐらい二酸化炭素は産業から出ているものが大きいんです。だから社会の仕組みを変える。政治を変える。そういう風にしないと解決していかないわけです。そこで非常に深刻なのがプラに含まれている環境ホルモンです。
実はプラスチックっていうのはプラスチックだけじゃなく、そこに入っている柔軟剤やら発色剤やら 難燃剤やらいろんなものが今現在、 添加物は1億種を超えているんです。いろんな化学添加物を作って作って作って作ってということを今やっていますから、そのうちの3割弱ほどが環境ホルモンだと言われています。これが実は 例えばフタル酸エステルというのは、ヨーロッパではです子宮内膜症、乳がんの増加の原因にもなっていると。でもきっかけになったのはヨーロッパでは若者の精子の数が減っていることが分かったんです。大変だということで、フタル酸エステルを禁止にしようというそういう動きがある。日本は全然ダメです。これ作っているとこ みんな経団連に入ってますから全然ダメです。子供の消しゴムにこういうものが入っているわけです。日本の消しゴム、いつの間にかゴムじゃなくプラになっちゃいました。エコストアパパラギにはスペインから輸入した消しゴム、天然ゴムの消しゴムを売ってます。まあ150円とか200円とかそんなもんですけれども、やはりプラは子供たちの命と健康を脅かすことにもなっているんだということ。これ忘れないでください。つまりプラのもう一つの問題は、人の健康の問題でもあるっていうことです。僕はこのお店でレジを打ったりするんではなく、やっぱりこれが僕のフィールドですから、体験乗船会、これやってます。水曜日に体験乗船会、毎月やってます。ここで子供にプランクトンネットでマイクロプラスチックを採ったり、大きな船ですから中に実験するところがあって、顕微鏡で映してモニターでマイクロプラスチックを見せたり、こういうことをやってます。海洋教室。子供たち自由研究でどんどん来るんです。そしてこの子はなんと、「私にできること」と言って学校の牛乳 プラスチックストローを小学校4年の時にやめるって宣言した。校長先生が許可をくれた。直飲みを始めたんです。そしたら同級生たちが「それ直飲みするとおいしいの」って話になって、美味しいよって言ったかどうか知らないけど、賛同者が増えてきて年間1000本、削減に成功したんです。そしたら鎌倉市長や教育長もやってきてなんとか鎌倉市もプラやめたいんだっていう話があって、やっと6年生の卒業の時に鎌倉市立小・中学校の学校牛乳プラスチックストローがこの子が声を上げたことで全廃になったんです。やはりあの声を上げると変わるということ。子供たちに伝えていくのは大人の責任です。環境活動家少年少女コース、環境活動家養成コースをずっと開催していて子供たちもいっぱい来ます。
そこで一番主張したかったことは「はて?」ということです。実は環境や気候問題で一番大事なことは「はて?」。当たり前と思っていることを疑うことだっていうこと。僕と妻が2人暮らしで買い物したらどうなるか「はて?」。1回買い物すると次の日はこうなっちゃうと。つまり皆さんはプラを買っているんです。当たり前になっちゃっているんです。これをよく考えて欲しいんです。例えばバナナをこうやって袋に入れちゃってますよね。プラの袋にバナナを入れて売っている国は日本だけですよ。海外にはないんです。おかしいと思うでしょ。だいたい袋に「バナナ」と書いてなくても皆さんバナナって知ってますよね。それからりんごにお座布団引かしている国日本だけ。こんな過剰です。それから納豆に、納豆って家で食べるのに醤油のこのプラが入ってたり、こういうものが当たり前になっちゃっている。今、僕は生活クラブ生協さんと一緒にあの講演会やったり学習会をいろんなとこでやってます。なんとかしようってことにだいぶなってきた。実際、商品化しているのもあります。製品化しているのもあります。だけどこれにやっぱり「はて?」と気がついて行動を起こすのはやはり子供ですよ。僕の周りで勉強している子たちはこうやって本を読んで自分は何したらいいかといろいろ始めるんです。この子の「はて?」は、本を読んでよしこれをやろうということで、「アンケート大作戦」を始めたんです。お母さんと一緒にスーパーに買い物行くたびに、アンケートに書くんです。「プラ包装やめてください」とか「過剰包装をやめてください」とか書いている。大手のスーパーは住所を書いておくと返事が来る。この子は藤沢の湘南台に住んでるんですけれども、湘南台のイオンは裸売りコーナー始めたんです、それで。子供もやってんだから大人もやろうということで始めたら、イトーヨーカドーさんも裸売りコーナーを始めた。でもまだ一部です。大事なことはやはり主権者教育です。自分がやっぱり変えていきたいと思ったら変わるよと、自分が声を上げれば必ず変えることができるんだよ。ということを伝えていくということです。まあそういうことで私たちは何かを犠牲にしているというこういう暮らしを「はて?」と思いましょう。個人でやることは、ちっちゃなことかもしれないけど社会の空気感を変えることにもつながっていくよ。ただ我慢をしたり、不便なことを無理やりやることはない、楽しいことをやろうということです。
それと同時に大事なことは、気候問題っていうのはきっちり政治に落とし込んでいかないと無理です。政治を変えない限り無理です。それほど大きな問題です。ですから声を上げ続ける。それから今日来た人が、じゃ何をやったらいいか。1つぐらいスポンジ買ったりするのもいいんだけど、今まで通り声を上げてくださいと、それでいいですと、それで社会を変えていけば気候変動に立ち向かう行動にもなるんですよ、ということです。大人への環境活動家養成コースは子供よりもうちょっと踏み込んで、日本人はどのぐらい気候変動に無関心かっていうところから一緒に勉強しています。どれだけ国民が気候変動に理解度があるか。日本は残念ながら、一昨年までビリから2番目だったんですが、ロシアに追い越されちゃったんです。それはやっぱり私たちが戦後の復興で経済、経済、経済、ゼネコン、ゼネコンでやってきて学校の中にすっぽり環境教育なかったんです。なかったですよね。それともう一つは全然真実が報道されない。真夏の暑い時に、「今日も暑かったです。」というのはニュースでやるんだけど、これはそのどんどんどんどん地球が熱くなる原因の一つに皆さん、久里浜の火力発電所。しかも石炭でやっている火力発電所。ああいうところから出る二酸化炭素がこうやって熱くしているんですよ。なんて口が避けても言いませんよね。テレビでは言わない。そういう忖度が日本の報道の自由度を最低レベルに引き下げてしまっているんです。安倍政権の前はもっと上だったんですよ。今70位でしょ。相当日本はちゃんと真実が報道されてないということです。このことを僕は大人にはこの事実をちゃんと知ってもらって、そしてこれだけ腐敗しきった国政を最初から変えるというのは難しい。だから地方から変えてくんだ、ということで私たち藤沢市にあるNPO気候危機対策ネットワーク。僕が立ち上げた4番目のNPOですけれども、現在です藤沢市にこれまで気候危機宣言を、非常事態宣言をしようと陳情してこれ通りました。それから周りの自治体もどんどんそういう風になっていった。でもそれだけじゃ全然生ぬるい。現在この僕の育てている気候環境活動家たちはです、藤沢市の環境審議委員会にいろいろ意見を言って5人の市民の中の枠の中で2人も入っているんです。それからやっぱり断熱のクラファンをやったり、小学校の教室を改修する署名運動やったりとかどんどんどんどんあのエコストア・パパラギに来てたお客さんがこういう風に活動家になっていっている。そこでまず大事なことは個人の努力で気候変動何とかというのは、無理だよと。なぜかと言うとエネルギーの転換部門でエネルギーで出ている部分つまり発電所なんかで出ているco2が4割で、産業部分、運輸部門でバンバン出ていて家庭部門はせいぜい5%ぐらいです。だから一人でやっても歯が立たないんです。日本が大きく変わらない限りダメです。ですからEUの政治の状況を見てみると、政党でこの気候変動政策を持っていない政党なんかないですよ。誰も入れない。日本はどうか。
今です、今僕があの 20数年前、僕は日本自然保護協会の指導員をずっと長いことやっているんですけれども、昔はこういう話すると、ちょっと政治的な話はこの場では・・・といつも言われたんです。今は、政治にちゃんと落とし込まないと気候問題を解決しないと、どこのNGOもちゃんと言っていて、これは前の参議院選挙ですけれども、この点数をWWF、日本自然保護協会、グリーンピースジャパン、 foe ジャパン、 そしてこの気候ネットワークがちゃんと通信簿をつけるんです。選挙のたびに。20点満点でこの時は点数をつけました。残念ながら当時一大勢力だった自由裏金党、これがマイナス1。気候政策まるでやる気がない。ところが今回の衆議院選挙見てください。これまた気候ネットワークが出した25点満点で、これは結果だけ出しててもっと細かく書いているんですよ。いろんな政策を細かくやって分析して出した点数表で自由裏金党もっと悪くなっちゃった。マイナス2になっちゃった。全然やる気がない状況です。前回、社民党さんも満点だったんだけど、今回あの選挙ですから、もうパタパタバタバタして間に合わなかったんです。日本共産党と社会民主党がいつも満点だったんです。今回、だいぶ令和頑張りました。こういうようなことをきっちり公開していく必要があって、これは決してどっかの政党を支持しているわけではないんですよ、というものです。毎回出してますから。ただ残念ながらやはり非常に議員を増やしたり伸びたのはマイナス2点の国民民主党だった。まあ目の前の食うことにも精いっぱいで、それだけ国民の生活が困窮しているんだなって、逆に僕は思いました。それどころじゃないと、気候どころじゃないっていうのが本音なのかもしれないんです。だからこそやっぱり僕は声を上げていかなきゃいけないなと思うのと、それとやはり共通しているのは、気候問題が遅れている国は同時に、議員の女性の割合が非常に低い。例えば ニュージーランドなんかです、1893年に女性の参政権を世界で最初に得た国ですけれども ニュージーランドは半分女性ですよね。議員。18歳から立候補できるんですよ。ものすごい気候政策進んでいる。そして世界で一番、再エネの技術が進んで普及して再エネ100%達成した国はアイスランドですよ。アイスランドはジェンダーキャップ指数15年連続一位です。女性が活躍している国は、気候変動対策しっかりやっているんです。これはやはりよく考えると、私たちは同時にこのジェンダーの問題も 気候の問題も一緒に進めていかなきゃいけない。それを最初にです、びっくりさせてくれたのがこの人でした。杉並区長の岸本聡子さん。僕は杉並にずいぶん思い入れがあって、原水禁運動発祥の地ですから。あの講演会も一番やっているところだったんです。彼女が戻ってくると知ってたんで、これ面白いことになるぞと思っていたら、案の定でした。女性区長が誕生した。そしたら先ほどの僕の環境活動家コースで学んでた人が、区議会議員に立候補したんです。やっぱり地球を救うのは議員にならなきゃダメだっていうことで、私の環境活動家養成コースで勉強していた女性「ブランシャー明日香」と言います。これは夫がフランス人の大学教授なので「ブランシャー」という名前ですけれども環境と気候政策を第一に掲げてそれ一本でやった。もう嫌がらせやらヤジやらひどかった。一人街宣ずっとやってましたから、しかも自転車でやってましたから、もう本当に嫌な思いもいっぱいしたんですけれども、なんと上位当選したんです。まあ見ている人は見ているんだなということ、まあこういうことがよくよく目を凝らしてみると起きているんです。杉並は女性区議会議員が半分ですからね。杉並はそういう風になっているわけです。しょっちゅう僕は会って話を聞いたりいろいろ相談を受けたりしながらです。一緒に地球を良くしていこうということをやっています。今藤沢で活動している僕の活動家養成コースの人の中から次期選挙という人が今2人、僕は何とか立てようという風に思っているんです。
こういうことに加えて、環境活動、気候活動する上で絶対に抜かせられないのはやはり軍事行動です。平和の問題。戦争だけじゃない。全ての軍事行動が地球を破壊するという、こういう視座が必要です。つまり全ての軍事行動といえば基地建設から始まります。これ辺野古です。来週行きます 年3回行ってます。これ一昨年の辺野古です。まだ珊瑚がいっぱいあった。去年同じ場所に11月に行った。これ見てください。どんどん土砂を入れられて、珊瑚がなくなっている。こういうことで、環境破壊は軍事行動によってとどめを刺されているんです。これは今年の3月に訪れたマーシャル。僕は今回医師を連れて行きました。医者が一緒に来てくれた。そして健康診断を僕の友人であるビキニ島民とロンゲラップ島民に健康診断をやったんです。今年3月1日に行ったんですけれど。ビキニから避難して70年。いまだにふるさとの島に帰れない人たちが、いまだに健康障害を抱えていて今もう3世目ですけれども、具合が悪いとかです、まあ被爆の影響もあるんでしょうけれどもやはり避難先でちゃんとしたもの食べられないということもあると思うんです。こういうことが人間の体もずっと蝕んでいて。そして僕がヨットで父島を出て16日目にたどり着いた、実はユニットドームという島。ビキニ環礁の隣の島です。 アメリカの核実験のゴミが全部この中に押し込まれているんです。ユニットドームと言います。ヨットからこの近接で撮影した写真はない。命がけで撮ってきました。中どうなっているか。ここに核実験のゴミが全部埋められていて、そこに一番上に蓋しただけ。今、ひびが入ったりひどいもんです。最初にちょっとやったように沈んでいくんですよ。マーシャル諸島どんどんどんどん島が沈んでいく。これをコロンビア大学が7、8年前調査したんです。2か月かけて。そしたらなんとチェルノブイリ、それから福一の原発事故の放射能汚染のチリの1000倍以上も高い放射能が検出されたんです。これが永遠に地球を核の汚染が続くわけです。
軍事行動は戦争だけじゃない。軍事行動って一度始めると永遠に終わらないんです。ここは昔と違うんです。化学兵器使ってますから。もちろんそれもあるんです。そしてなんと軍事行動が輩出する二酸化炭素は1年で排出する全世界の二酸化炭素の5.5%も出しちゃうんです。年間ですよ。 日本一国で3.1%です。ドイツが1.9くらい。ドイツと日本の国2つ合わせても軍事行動の出す二酸化炭素がよっぽど多い。しかもこれはかなり少なく見積もっての数字だと言われてます。今、ウクライナとパレスチナでまた血をどんどん出してますから。これはナタ・クロフォード博士っていうボストン大学の先生がまだ 和訳になってないんですけれども ここに全部データが書いている。しかもパリ協定の削減目標には軍事行動入ってないんですよ。この欺瞞。私たちが 頑張っても、頑張ってもあの巨大な軍隊がある限りは気候変動、せっかく頑張っても全然枠外になっている。例外主義です。一瞬にして地球の気候を破壊してしまうのは核であるということです。まあ1万3000発のうち 0.8%が誤爆やいろんなことで爆発してしまったら永遠に地球に昼は訪れない。朝は訪れない。これ核の冬、核の夜という言葉。これは 83年に天文学者であるカールセーガンが言った言葉。その後にゴルバチョ時代にです、ソ連科学アカデミーも核の夜という言葉を使って科学的知見を全部集めてです、もし今の核兵器がそのようになったら永遠に地球は気候が破壊したままになる。破壊されたままになる。こういうことを平和運動なんかやったことない、環境活動家で勉強した人がバンバン やってんですよ。
そうすると平和の問題と気候問題と全く同じだってみんな気がついてくるんです。これが連帯です。連帯。今世界中で気候危機に向かううねりはすごいですよ。その人たちと、これまでやっぱり頑張ってきた、核廃絶、平和運動の人たちがです、やっぱり連帯して大きなうねりにしてくってことは大事です。だから気候変動の運動やるんだったら平和は絶対抜かしたらダメだということをやって、そして一緒になってです、藤沢市に憲法9条の碑を建立しようとという運動を立ち上げたんです。今までです、こんなことやったことない若い人たち。年齢差これ見てください。最年少が6ヶ月ですよ。なんて意識高い系のベビー。一番上の人は92歳ですけどね。こう考えると、希望あると思いませんか。やっぱりです、平和の危機も原発も全部同じなんだよ。気候危機もプラ問題も実は科学や技術の失敗じゃなくて、政策の過ちなんだと。だから科学の力で取り戻すことができると。人間は愚かな過ちを犯す生き物なんだけれども、その間違いに気がついたら必ず必ず取り返すことができるということ。そのためにはやっぱり気候問題をきちんと政治に落とし込むということが大事だという風に僕は思っています。
今日の話はです、今日ちょっと販売させていただいている「海の中から地球が見える」という全部カラーです。今の写真97枚全部入ってます。皆さんにおすすめしたい理由は字が大きいです。
これ朝日新聞の科学特集で書評が乗ったりしてね。評価いただいてます。これを読んで、茅ヶ崎の小学生はなんと金賞取ったり、ちょうど今、全国大会に出ています。それから横浜の戸塚の小学生がやっぱり優秀賞を取ったりしているので、家族で読んでほしいなというふうに思ったら、もう一冊買うととってもいいと思います。これは4年前に出したもので全部振り仮名が振ってある。内容は同じですけれども、ただ子供にも読みやすい。そしてこれは東京都の学校司書が選ぶ推薦図書になって、今年です国語の教科書に僕のこれのあの推薦図書に載っているんです。カラーでしかもです、よく読むと原発のこと核兵器禁止条約、なぜ日本は参加してねえんだということ。石炭火力発電所のことちゃんと書いているんです。これが教科書に載っているんです。多分選んだ人がちゃんと読んでなかったんだと思うんです。是非です、この本紹介してますんで勉強してください。よかったらエコストア・パパラギは藤沢にあります。是非皆さん来てください。全国からみんなツアーを組んで来てくれてます。ぜひお待ちしてます。
色々初めて聞く話が多くてびっくりなさったと思いますけれども「知ることが希望です」。学び、そして知って行動に移していただければなと思います。ご清聴ありがとうございました。
記念講演U 「戦争国家づくりの現段階と地方自治」 岡田知弘
<激動の中にある世界と日本>
現代をどう捉えるかということでありますけれども、とにかくこの3、4年です。コロナが広がっていく中で、これも日本で最初に上陸したのが横浜ですよね。コロナが実は今も続いています。私、週一回、厚生労働省のデータでずっと追っかけていますが、どうやら第12波が、新型変異株がまたヨーロッパから入って来まして、これが拡大しています。東日本から年末から年始にかけても大きく感染拡大が広がると予測されています。決して終わっていない。ここが現代のパンデミックの一番の恐ろしさです。今から百年前のスペイン風邪。これは3年で完全に終息しています。しかも周波は3波だけです。第2波が一番強毒性だったんですけれども、この時に神奈川県、横浜に確か住んでいた与謝野晶子が横浜の新聞にコラム書いていました。で、彼女10人ぐらいお子さんを持っていましたが、全員罹患をしたんです。本当に生死の境をさまようようなことを経験した。今こそ命を大事にしようって声を上げる必要があると、彼女その時にやったのが婦人参政権獲得運動に参加したことです。命を守るってことは女性が立ち上がっていくこと。そして米騒動とか、いろんな社会運動、労働組合運動もその際に盛んになって、水平社もできます。そういう時代、百年前にあったんです。このコロナ禍はこの後おそらくいろんな政治史の中で語られていくと思うんですが、あの長い安倍政権を倒したんですよね。つまり、コロナ対応、完全に失敗したわけです。その後も菅政権、そして岸田政権も倒れていく。コロナっていうのはかなり政治の底部に流れてきてしまって、命の問題を全く抜きにして経済成長とか、戦争に向けた国家作りとか、本質的に国民と相いれないような動きです。そういう大きな矛盾の中に今あるんではないかと思います。ただ、その中で戦争のきな臭さがどんどん増してきた。
ロシアによるウクライナ侵略は今やミサイル合戦。この間プーチンがいっているのは核兵器の使用基準を低めていく。つまり、核の脅威でもって脅していく。とりわけトランプ政権にこれから1月に変わっていきます。 その中でトランプとプーチンは比較的仲がいいと言われています。どういう形でトランプは、即時停戦するってことは宣言しましたけれども、ウクライナの人たちが本当にどういう状況になっていくのかっていうと、ガザと同じなってくんじゃないかって心配も今、されてきているところであります。このガザ、イスラエルの対立も今、中東戦争化しています。それが発火点になりながら第三次世界大戦も起こり得るような、そういう現実的な問題に今や我々は向き合っているっていうか、向き合わねばならないような時代になってきているのではないかと思うんです。というのも、日本側の政府の対応。岸田政権になって大きく前に踏み出てしまった。バイデン米大統領の要請に応えて安保3文書という形で、これまで認めてこなかった、あるいは公然とやってこなかった集団的自衛権を、閣議決定だけで進めていこうという、こういう段階に立ちいたっているわけであります。
台湾有事です。先ほど武本さんが紹介された沖縄南西諸島のところ、そこでどんどんミサイル基地も含めて自衛隊の基地建設を地域振興だっていう甘い言い方も含めてやり。そして場合によっては標的にどんどんなっていくっていう、かつての沖縄戦と同じような状況が生まれてくるんじゃないかという危機感が、沖縄の県民のところに広がってきているわけです。そして沖縄に次ぐ、基地の米軍基地集積地域がこの神奈川ですよね。皆さんご存知のように、米国の空母原子力空母がほぼ半世紀、ここに横須賀に停泊している。拠点にしながらですねオスプレイまで搭載していくっていう。まあ、原子力発電所の上にオスプレイ、危険な、これが常にいるっていう、これもとんでもなく危険なことですけれども、国も県も、きちんとものを言っているか、沖縄県のように。そういうふうに考えていきますと今、皆さんがたの住んでおられるころで、主権者としての県民として市民としてどれだけ県や市を変えていく、国を変えていく、声を大きくして叫んでいくことが必要なのかということもわかるじゃないかと思うんですよね。
もう一つです。自民党がどんどん変わってきた。これも裏金問題、あるいは統一教会問題、これが安倍政権の膿として安部氏が射殺された後どんどん、どんどん明らかになってきた。今回の総選挙によって、この安倍派を見ていきますと、かつての一強時代と全く違う、崩壊状態になってきます。安倍派は一番の改憲勢力だったわけです自民党内の。ここが推進力を失ってしまってきているっていう、まあ歴史の皮肉でもあります。そういう局面の中で、トランプとアメリカ大統領選挙と同じように兵庫県知事選でSNS問題。これも最近あの公選法違反ではないかと。あらかじめSNS宣伝を請け負った会社の女性の若い社長が自慢げに、インターネットに自分がこれをやったんだと、仕事としてやったと、これやっちゃいけないことです。おそらくこれから公選法違反という司法の問題としてこの兵庫県知事選挙の後始末が待っているかと思いますけれども。ただどちらにしろ、アメリカにしろ、日本にしろ、そういう政治的雰囲気が広がってしまっていて、現実のところでの運動に関わるような情報を得て判断をする、地域の状況を見て判断をする、というよりはユーチューブとか、あるいはみんなが見ているものだ、ということでSNS発信を見ながら同調してしまう。こういう傾向というのはおそらくです。まだまだ続く可能性があります。その中で皆さん方も来年の様々な選挙をたたかうということになっていくかと思うんですよね。正しい判断を多くの有権者の方に知ってもらうために、どうしたらいいのかということも合わせて考えておくべき、そういう時代に差し掛かっているのではないかと思うんですよね。
<岸田政権下で軍拡・戦時体制の準備が進む>
岸田首相が安保3文書改訂ともう一つは軍需産業を支援をして行くということで、防衛予算を極めて大規模に増やしていくことを閣議決定をしてしまったというような局面になってます。私、経済学をやってまして、このことは一体何を意味するのか。防衛費を拡充するということは、それに納品をする軍需産業の仕事が拡大する。しかも、アメリカが要求してくるということはロッキードなり、ボーイングなりの軍需産業、アメリカのこられの商品を買うということなってくる。国内の様々な軍需産業、昔からいます東芝、日立、富士通、こういうところもありますけども、これも神奈川県内だいぶそれぞれの関係工場ありますよね。歴史的に。それに加えて外国の企業です。そしてさらにコンサルタント企業と情報系IT系の業種の仕事が一気に増えていきます。というのは、ロシアウクライナ戦争のような形で、情報のシステムをどれだけ使いこなせるか。これが決定的に重要な時代になってきています。そうなりますとIT系産業は平和産業というふうに言い切れません。むしろ軍需産業のコアっていうふうに言ってもいいような存在になってきます。このIT系企業も神奈川県内、だいぶ集積をしているんですよね。まあ、こういうところもウォッチング、ぜひやってほしいなというふうに思うんです。その中で経済安全保障という言葉を岸田さんは強調したわけです。あとで詳しく述べますけれども、この経済安全保障を図るために重要な特定物資を指定して、これを生産するためには、多大なお金を国費として投入します。これ、我々の税金が財源です。一番今目立っているのは半導体です。熊本、そして北海道の2社だけでも五年ぐらいで10兆円近くですよ。2社で10兆円です。信じられないですよね?中小企業予算が1兆円ないんですよ、日本は。99%を中小企業が占めていて、7割の雇用を持っているのに、せいぜい3000億円です。お金のつかい方違うでしょっていうふうなところも、それも振り切った形で、あるいは、底割れをした形でどんどん特定の半導体メーカー、これも外資系企業です。で、こういうところにお金をつぎ込んでいくという構造ができてしまいました。そして先ほど山崎理事長から挨拶ありました、学問の自由に関してもですね、いろんな形で潰しにかかってきているこの局面です。卓越大学院大学の指定をする。10兆円のファンドを使ってこれを回していきますよと。ただ、これを指定するのは、ある条件がある。教授会自治のようなもののないもの。外部から半数の委員を入れるようなガバナンス体制。これをやったらお金つけるよ。それを最初に手を挙げたのは、東大と京大でもなかった。東北大学です。東北大学は皆さん知っているかどうかわかりませんが、ブラック大賞に2回も輝いたというか、酷い大学職場になっています。まあ、そういうところがこの軍事研究ところにも巻き込まれていくし、積極的に参加していくことになっているわけです。合わせて軍事研究やりませんよ、ということを戦後、学者の国会という形で発足しました日本学術会議が3回ぐらい声明を出した。これは気に食わないということですが、菅政権の時に推薦者名簿。基本的には全員がそれまでは任命されていたものが6人が外された。しかも後で調べてみたら、色んな法案の問題で公的に反対表明を示した人たちでした。つまり、政府にとって不都合なことを言っている。表現の自由として学問の自由として言っているわけですが、これはけしからないって形で任命拒否です。これは私京大のところでずっと大学の歴史も書いたりしているんですけどね。京都大学の経済学部の河上肇さんが危険思想だってことで、放逐されたのは1928年、昭和3年です。それから5年後、滝川事件。マルキストではない滝川さんという刑法学者です。彼が危険思想だってことで右翼団体が騒いで、文部大臣が総長を通してあいつをやめさせろと。猛烈に反対した末川博さんとかいう人たちは、最初は全員辞表提出をしますけども切り崩されます。結果的にそれを飲んでしまうわけですよ。それ以降、京都大学は政府に対して物が言えない大学になりました。実はそれまで、全国の帝国大学の中で一番ものを言って大学の自治を確立していたのが、そして学生運動が盛んで治安維持法違反で最初に逮捕された京都学連。これは社会学研究科の面々です。30人以上逮捕されたのも京都です。特高警察の特別な、実は監視地域だったんです。でこの京都を潰せば、すべて大学を掌握できるとどうやら判断したみたいです。その結果として、京都の大学では、例えば理学部では原爆開発に協力せざるを得ない。湯川さんもね。そういうふうなことになって、戦争動員の装置になってしまったんです。でこういう反省というものから戦後の憲法で学問の自由、あるいは地方自治というもの、これを明記していく。主権者は天皇ではなくて国民である。そして、地方自治体がちゃんと国に対してものが言える団体自治を作っていこう。そして主権者として住民が発言をしたり、投票で、首長を選んでいく。女性は参政権なかったけれども、与謝野晶子が参加した運動の成果として、47年には女性参政権も認めていく。こういう憲法が制定されているわけです。憲法と合わせて地方自治法も同時制定です。こういう風な歴史があります。これと比べてみたら、ちょうど河上事件と滝川事件、昭和3年から昭和8年、これとかさなってきていると私には見えるんですよ。こういう危険な状態に今来ているっていうことを認識することが必要ではないかというふうに思うんですよね。
地方自治の話この後しますけれども、デジタル化で便利になるだろうといういう風な形で言いながら結局、国が提供するデジタルシステム、そして情報の処理の仕方、さらに私たちの情報がマイナンバーという形で吸い上げられていく。そして個人個人がどういう行動をとるかということも、場合によっては知ることができるわけです、国の方は。こういう形で、個人情報の保護に関してもないがしろされながら、ひとりひとりを統治して行く。こういう体制がデジタル化、あるいは地方自治体を国のもとにおいていた明治憲法と同じような形に戻していくっていう過程で進んでいるっていうのではないかというのが私の大きな今の見方です。明治憲法下の国と地方のあり方に強引にだけじゃなくて、財政誘導をやってデジタル化というような、一見利便性を強調しながら進んでいるという風に見えるわけです。そうなりますと、戦後の憲法と地方自治というもの、これ一体何なんだ、どれだけの力を今我々持っているのか。あるいはこれを逆に潰されるだけじゃなくて、きちっと実現をしていく方向で具体化していく取り組みこれが最も必要なことではないか。こういう原則に立ち返りながら憲法こそわれわれまだ改正されていませんからね。一番のよりどころですよ。一つ一つの情報に関して、今どうなっているんだろうか。虎に翼っていう朝のテレビ小説私も毎日欠かさず見ていました。「はて」っていうふうに思って、それを口に出して仲間と一緒に声をあげたことによって、新しい権利が確保されて、それが前進して日本国憲法、あるいはその中での家族法とかね、民法のところに具体化していくっていう。まあ、そういうことが、あのドラマには表現されていたかと思うんですよね。「スン」ではなくて「はて」。見ている人はわかると思うけど、そういうふうな取り組みこそが、今必要ではないかというふうに思うわけであります。
<戦後70年の歴史と地方自治>
少し長い時間、スパンで70年の歴史を紐解いていきます。ちょうど私、今年70歳になりました。1954年生まれです。1954年というのは自衛隊ができた年です。朝鮮戦争の後、保安隊ができます。さらに日本が半ば独立します。安保条約が当時結ばれまして、新しい日米間の関係が安保条約のもとにできるわけですけれども、この時の首相が吉田茂。まだ自民党できません。自由党内閣でした。そういう内閣のもとで、自衛隊も発足して行くわけです。
経済団体のところでは防衛生産委員会ってものが作られます。今は防衛産業委員会というのに名前は変わっていますが、これがいわゆる軍需産業です。戦後日本の軍事力はまあ軍隊解体しました。軍事産業の一番の中心が財閥企業でした。財閥の解体をやって民主化をしようとした。でも中国大陸で革命が起こり、そして北朝鮮で社会主義政権が起こり、それがどんどんどんどん日本に近づいてきたところで、アメリカは極東の戦略を大きく変えます。極東のスイスから、むしろ反共の防波堤にして行くと。こういう風な形で軍事力を持つ必要がある。軍事力を補強するためには、生産を再開する必要がある。つまり財閥解体をしたのを止めるわけです。むしろ財閥系企業を中心とした軍需産業復活っていうのをこのころから始めていって、この委員会ができます。
もう一つ注目したいのは原子力問題です。原子力基本法が55年に制定されます。アメリカのアイゼンハワー大統領が、平和のための原子利用というものを宣言しました。つまり、原子力潜水艦に入っていた原子炉を岡に上げるんです。これを元にしながら原子力発電を民間化して、これを輸出していこうと。ただ核の廃棄物も含めて全部核不拡散条約に基づいて管理をして行く国際体制。これを作っていくっていうことですけども、こういうことに対して実は反発をしたのが日本学術会議の物理学者たちでした。湯川さんとか、武谷三男さんとか、こういう人たちが、原子力三原則が必要だ。自主・民主・公開という、これがなければ、また軍事利用になってしまう。歯止めをかけようとしたんです。文言上は入りましたけれども、政治的には、そんなこと無視ということで動いたのが中曽根康弘です。そして正力松太郎、この2人が日本の戦後の原子力開発を中心になってきますけれども、当時の中曽根は改進党でした。まだ自民党ができてない。そこへ原子力開発するために原子力産業が必要だということで財閥をもう一回再結集すると、お金をどんどん投下していくんです。軍事産業といっしょに。その時に出てきたのが6大財閥でありますし、さきほど軍需産業として重視された三菱重工、東芝、日立なんです。これらがアメリカのウエスチングハウス、WH社とかGE社とそれぞれ技術連携をしながら、日本で電力開発と原発の輸入、そして組み立て、これをしていきます。最初はアメリカが作ったものを日本で組み立てていく。かなり乱暴な作り方をしたから、技術的にはかなり心配だと言われたのが、福島第1原発1号炉。こういうところで実は福島第1原発事故の歴史的な背景ができているわけです。今お話したのは、この原発、原子力産業。そしてもう一つが軍需産業、これ結合している同じ企業グループだってことです。そしてさらに自衛隊というものが合わせてできている。
政党です。なぜ自民党が、改憲というものを党是にしたのか、目標にしたのか。最初に動いたのは社会党だったんです。社会党、実は左派と右派に当時分裂していたんだけども、この世界情勢の中で一本化しようじゃないかということで合同したんですよまず。これを見て、やはり保守勢力、アメリカに近づいた保守勢力が「保守も合同しようじゃないか」ということで作り上げたのが自由民主党です。1955年11月のことです。69年前です。党是として改憲、9条です。これ言ってきたのはあのニクソン。父親のほうが副大統領している時に。憲法制定して直後に朝鮮戦争起こりますが、憲法9条作ったのが大失敗だったと言うふうに彼は言っている。つまり戦争ができるような国ではないわけですよね。こういうことで、実はあの憲法改正9条に関しては、別に日本の保守勢力のオリジナルありません。アメリカのニクソンなどの保守勢力のところから実は要請されてきたことでもあったわけです。こういう経緯の中で70年前できるわけですけれども、自民党の党是これを復活して戦争ができる国を作るということを目指して登場したのが安倍晋三だった。
<安部政権下の憲法破壊と軍備拡大路線>
第一次安倍政権ができましたけれども、彼は持病が悪化したということで、この時は国民投票法まで持ってきたけれども、憲法改正まで行かなかった。地方制度改革で言いますと、道州制を入れたかったけど、この時は実現しなかったという宿題を持って第2次安倍政権を作るわけです。それまでの憲法9条をめぐる解釈は、内閣法制局という「法の番人さん」と呼ばれたところがあります。官僚機構というのはやっぱり、きちんとこう守っていく必要があるってことで頑固ですよね。そこで自民党は、自衛隊の存在をあの第9条に書きたかった。ずっとそうだった。でも、それできなかった。明文改憲できなかったのはどうしてかというと、内閣法制局の定義、解釈です。「自衛隊は戦力ではなく個別的自衛権を行使する実力組織である。」という解釈。軍事力じゃなくて実力組織であるって、これ日本語の言葉のあやでもありますけどね。一番大事なのは、個別的自衛権を行使すること。日米同盟の中で集団的自衛権を行使しちゃいけないということです。こういう解釈になっていましたから、2008年に、イラク派兵の違憲訴訟が名古屋でおこりまして判決がありました。実は違憲判決が出ている。判決の元の解釈は、先ほどの内閣法制局の「自衛隊は個別自衛権のみが認められている実力組織である。これを越えた形で海外派兵は許されるものではない。」というような解釈で違憲だった。しかもこれだけではありません。憲法9条の存在は、集団的自衛権の行使ができないということだけではなくて、武器輸出の禁止や非核三原則、さらに防衛費を国民総生産1%内に抑えるという一連の政策、これの根拠です。ただ、安倍政権が見たらこれ全体を変えたいですよね。変えたかったわけですよ。だとすれば何が必要なのかということでありますけども、2006年の第一次政権の際は、彼は戦争ができる普通の国づくりを目指すということを表明しているわけですけれども、これを一旦断念したわけです。それで2012年の末に、第二次安倍政権ができます。その時に、解釈改憲から始まっていくわけですけれども、あのどういうものかっていうと、2013年に国家安全保障法制定をして国家安全保障会議を設置いたします。そして次が大事です。2014年に内閣人事局を新設します。600人近くの政府の官僚の幹部人事、さらに裁判所の人事、裁判官除く。警察関係もそうです。全部それまで官僚機構がそれぞれ次官のもとに持ってたんです。人事院がそれを統括する。これをやめて、内閣がすべて政治決定する、ということに大きく変えたわけです。となれば内閣法制局長人事を自由にできるわけですよ。つまり安倍政権に忖度する、そういう官僚を当てればいいだけですよ。この結果として2015年の安保法制ところでこれは合憲である。そういう解釈改憲が成り立つわけです。この内閣人事局の存在というのは、かなり大きな害悪を今もたらしています。これを廃止しなければならないと私は思っているんです。そうしないと官僚機構は変わらない。忖度官僚ばっかりがはびこってしまうっていう。こういうことになってしまうからです。2015年9月のところの話は先ほど言った通りでありますけれども、安倍内閣の人事権は司法の分野にも及んでいます。特に私注目したのは福島第一原発訴訟のところで裁判官、あるいは東電側の弁護士、こういうところではまあ大手の弁護士事務所に入っていますが、彼らが活躍をしているんです。しかも最高裁の判事なっていく人たちも出てくるんですよ。沖縄の裁判でもそうです。沖縄県側の訴訟を全部門前払いに近い形で否定をしてきますが、その考え方は明治憲法と同じですよ。この軍事に係る問題に関しては国がもっぱら専権事項として扱う。県がこれに対してものをいうことはまかりならぬっていう、信じられないような判決を出す奴が配置されていく。裁判官に関しては内閣、首相が任命する形ですからね。こういう形で司法を握ってしまって、それが東京電力等々の顧問弁護士たちが入ってきます。そういう人たちが。だから、安倍政権に近い人たちがどんな犯罪しようとも捕まらない。捕まったとしても起訴されない。起訴されても無罪になってしまう。繰り返していますよね。このようなことが起こってしまってきている。ここの問題で政策的な問題が生み出せる。皆さん、そういう反対運動するこれ大事です。でも根っこにある内閣人事局と司法も含む、官僚機構と政治の関係を変える。これをしなければいけないんではないかというふうに思う。
第2次安倍政権の特徴は安倍氏がこの原子力関係と軍需関係の企業の利益を最大限尊重した動きをしたと思います。というのは、彼が第一次政権から降りて第2次安倍政権にたどり着くまでに後援会として一番活躍した組織があります。それが桜会です。あの自衛隊の徽章ですね桜。これを構成しているのが軍需メーカーだったんです。軍需産業。合わせて、これは三菱も東芝、日立も原子力産業です。彼が最初から外交活動するとき、必ず彼らがついてきた。原発をしたい、武器輸出をしたいって、ただ、その法規制も変えたいという、こういう要望も次々と実現をして行くわけですけれども。統一教会がもっと地味なところで、選挙活動とかを手伝ってくれるというような黒い関係がこの辺りから出来てしまったわけです。憲法9条のもとで制約されていた、先ほど武器輸出三原則これ廃止したのもこの頃です。さらに14年1月には防衛装備移転三原則というものを新たに制定しています。これによってあの防衛装備品という名前に変えられた武器、これが禁輸国としては数限られているんですよ。国連の安保理事会で禁輸決議をしていたのは11カ国だけです。北朝鮮など。それ以外全部これ輸出できる。市場拡大、美味しいですよね。こういうようなことをやってきます。さらにあの国家安全保障の枠組みを大きく広げていきます。経済安全保障っていう言葉がアメリカから渡ってきます。これを菅政権にかけて推進した人物がいます。公安警察出身の北村滋っていう人物です。今退官をしていますが、退官後もあの経済安全保障の会議の正式メンバーとして残っています。この北村氏は何をやったかというと、国家秘密法の強化ということで、特定秘密保護法とか基地や原発の近くにある土地取引、これを監視をする重要土地利用規制法の制定に直接関わっています。さらに、彼が自分で書いていることですけども、先ほどの菅政権における日本学術会議の委員の任命拒否に関しても自分が進言したんだと言っている。こういう人物です。この北村氏が、国家経済会議というNECっていうね、そういうような自民党の甘利氏が中心になった安全保障グループと結合していって、軍事利用可能な半導体技術の機密情報を国外流出をなんとか止める、こういうようなことをやったりしているわけです。日本の安全保障には北村氏は本の中でこう言っています。「軍事や外交があっても、インテリジェンス、情報収集分析とエコノミー。経済が無い」と。この2つを自分は強めていくんだということを言っているわけです。もし興味がある方はですね、ちょっと厚い本ですが、「情報と国家」という本に彼は自分の自慢話をいっぱい書いています。それがすごく分かりやすいです。今の日本の経済安全保障、国家安全保障政策、どういう形でつくられてきたかということを示しているわけです。まあその意味は先ほど先に言っちゃいましたけれども、昭和3年から8年にかけての、戦前から戦時に関わる過程の日本の状況と酷似してきているというようなことになるかと思います。
<岸田政権下で進む経済安全保障>
さて、この経済安全保障というのは何なのかということです。それが2022年の春の通常国会で、菅政権で策定を準備していた経済安全保障推進法というものが作られています。これは四つの柱からなっています。
1. 海外依存度の高い特定重要物資の供給網の強靭化。半導体等を示しています。
2. 基幹インフラ、空港、港湾、基幹道路。情報通信、金融、ものすごい広い範囲です。この安全性、信頼性の確保を図る。
3. 軍民両用技術である半導体、宇宙や量子、AI関しては開発促進を行っていく。
4. 安全保障等に係る機密情報にアクセスできる資格者を政府が認定する制度を作る。これ、セキュリティクリアランスと言います。
これすべてこの後、順次整備されて今年の国会までにほぼ完備しています。一体自治体に、あるいは、住民に対してどういう影響を与えるのかっていうこと、またピンとこないと思うので、少し私なりに考えたことからお話をします。半導体とか上に書いてある技術開発は、おそらく神奈川県とか横浜市など工業試験所に近い機能を持ったところ、あるいわ大学です、公立大学、こういうところで必ず関わってきます。その法の対象に直接なっていくってことになってきます。今年成立した経済安全情報保護法は、先ほどセキュリティクリアランスですけどね。公設の試験研究機関や公立大学で働く研究者やその家族、全部監視下に置きます。つまり貴重な、技術情報が敵対国、中国等に流出しているのではないかってことを常時監視状態に置くことが認められています。罰則規定もあります。捜査をする実動部隊に関しては、菅政権時代に警察法の改正がなされまして、サイバー特別捜査隊、これは国家警察です。国家警察で捜査権を持っています。逮捕もできます。これはね、戦時下であるいは戦後ではいされた特別高等警察、特高警察以来の国家警察。これ民主化の中で都道府県警になったんです。捜査権もそこまで認めていた。これを国際犯罪に対処するためっていうふうな名目で、国家警察の権限として新たに新設した。自由法曹団の皆さんは、この警察をサイバー特高と呼んでます。私たちが発信している情報も含めて、ひょっとしたら監視状態に入っている可能性もあるということです。そしてこれまでもいくつも大川原化工機事件のようなでっち上げ、思い込み、思い入れ調査だけで有罪にしてしまおうって、途中でそれがばれてしまって取り下げましたけれども、それでもですね、捕まった人、幹部の一人が癌を患っていたのに治療さえ受けなかったっていう。もう戦前の治安維持法下と変わらない。そういうようなことをやってしまっているわけです。公安警察はそういうような機能を今もはたしているってことで注意を払う必要があるってことでありますが、もう一つです。多くの人がかかわるのは、先ほどの基幹インフラです。これを、港はじめとして県が管理しているところありますよね、多く。あるいは市町村道などもそうですけど、実はこれは法の対象として届出制とか義務ができます。管理者としては指定管理者とかありますよね。請負業者も全部これは対象になってきます。いざ有事という形で国が判定を閣議決定でやった場合は、当然これまでの利用の仕方はできません。軍事最優先っていうこういうものに切り替わっていくということになっていくわけです。
<安保3文書と軍拡の推進>
安保3文書は何かというと国家安全保障戦略、国家防衛戦略、そして防衛力整備計画ということになっているわけですけれども、防衛費を2022年度には従来2倍にする。国内総生産2%ですから、かつての内閣法制局の解釈の2倍です。こういうようなことになっていくということであるわけですが、これに応じて岸田政権のところで、当初アベノミクスも批判をしながら、新しい資本主義を実現するんだってことを彼は標榜して首相になりました。最初は生産よりも分配だ。成長より分配だということも言いました。環境問題が大事だとも言いました。でも、2023年の通常国会、2年前です。「今や日本は歴史的転換期に立ち至った。だから防衛力の抜本的強化を図る。というようなことで「反撃能力を持つんだ」。というようなことを言い、年間4兆円の財源確保を追加的に行う必要があることを言うわけですが、そこで何を言っていたか。新しい資本主義でトップに来たのは分配でも環境問題などの社会的課題でもありません。経済安全保障でした。こんな言い方をしています。「労働コストや生産コストの安さのみを求めるのではなく、重要物資や重要技術を守り、強靭なサプライチェーンを維持する経済モデルの実現を図る」。つまり、軍事産業を拠点にした経済成長戦略に切り替えるってことを彼は表明した。こういうようなことがなされて日米同盟の強化が現場では進む。沖縄県では先ほど話しましたけれども、新辺野古基地建設を強行するともに南西諸島に、自衛隊を配備して行く、こういうようなことを次々にやってきました。さらに有事だけでなく、平時においても自衛隊や海上保安庁が優先利用できる特定利用空港、港湾の指定を図っていくこと。今年の8月末までに九州を中心として28の空港港湾が指定されています。そこで、公共工事がついて来る。地元土建会社がそれを歓迎する、ということをやってます。実は能登半島地震の復興政策として、今馳知事が何を言っているか、3月の時点で、ある会でこういうことを言いました。「災害と復興を一体のものとして捉える必要がある」。どういうことかっていうと、空港の軍事利用認めていく。そしてもう一つは、輪島に陸上自衛隊の分屯地があるが、その拡充です。そしてさらにレーダー基地の移転。それを要求する地元土木事業者です。そういう利益を誘導されながら沖縄と同じように、被災者はそこでの生活再建は難しいかもしれない。それよりも自衛官とその家族を誘致してくる、そっちの方に走りつつある。一番厳しいところでも。わかりやすい形で、そういう動きがあるということを見ておく必要があります。さらに、赤旗で11月6日に報道されましたけれども、県内の自衛隊基地を米軍中心の多国籍軍に活用していくっていう。これがものすごい数になってきているっていうことです。監視されている皆さんが告発をしているって事もありますし、さらに先ほどちょっと今横須賀港の原子力空母常駐化という。そこにオスプレーも常駐していく。そういう意味では危険度がさらに一層ましたっていうこういう状況に神奈川県も置かれているわけです。さらに、重要土地利用規制法。先ほどの北村氏が作ったっていうふうに自慢しているものです。これは自衛隊基地、米軍基地原発、そして離島対象にして全国で700の拠点を指定しました。周辺1km圏内の土地所有や利用の調査を実施して、土地所有のあり方、外国の資本が入ってきたらまずいんじゃないかということで、土地取引規制をしていくっていうようなこともありますし、それ以前にですね、所有をしている人たちの全リストをです、掌握をしていくっていう。まあ、こういうような形で事業所をやっている方々にとっては、これは本当に不愉快な取り組みでもあるんですけどね。こういうことも合わせてできるような体制を整備しています。そして、防衛産業に関して特別支援しますよってことを法律として、2023年国会で成立させている。自衛隊不可欠な軍需品を製造する企業として認定されれば設備投資額の一部を国が負担をするというものです。さらに経営難に陥った場合は、そのメーカーについて国有化してあげますよ。ほかの会社に、これをまた任せることもできますよ。第二次世界大戦の国家総動員体制の下で軍事工場動員っていうものがされました。平和産業の軍事工業化もされてきました。これの法的な考え方とほぼ同じですよね。こういうようなところに、現代においては外国資本の参入できますよ。ITコンサルタント系も参入できますよっていうふうなことになってきているわけです。先ほど言いました半導体工場。1兆円以上の補助を出していくっていうことですけれども、これを進めた自民党の議員連合があります。半導体議連とて私たち呼んでます。安倍氏がまだ生きている時。名誉会長が安倍氏と麻生氏、会長が甘利氏。そして事務局長小林ホークス(鷹之)氏。これが全部つるんでいる。つまりおそらく構図としては半導体育成ということで補助金を持ってきて、何らかの政治的な見返りこれをこのグループは期待をしている。そういう中での軍事化、あるいは経済安全保障の半導体整備というようなことになるかと思いますけれども、この半導体産業に関して痛い歴史を日本は持っています。1980年代半ばのテクノポリス構造です。半導体育成やろうとして、実は大失敗したんです。全部撤退をしてしまいました。外国の資本は。こういうようなことが特に半導体に関して、皆さんスマホとかパソコンで、例えば3年に1回ぐらい更新しないといけない。技術開発のテンポ非常に早くて、外国の資本も特に韓国、さらに台湾資本ですよ。今ね、ものすごい技術開発力と資金力を持っています。日本の東芝とか、もう全然だめだったんです。そこを国家資金によって支えようっていうことですよ。こういうところに生産をする力がずっとあるかっていうと、私はまず期待できないと思っています。むしろ腐敗しか残らないし、さらにもっと危険なのは経済安全保障っていう名目で補助金を取っているというのはどういうことか。対外的にはこれは軍事産業拠点ですよということを表明しているわけですよ。つまり、標的になります。千歳空港の横にあるラピタス。これトヨタが主導してますが、ここは、アメリカの国防総省と連携してやっていきますよってことを明言しています。まあ、そういうふうな危険なものを誘致をしてまで地域の経済活性化ってことに求めていいのか。むしろ持続可能な形で地域の産業育成していくって方向、これを追求すべきではないかというふうな話になっていくんじゃないかと思うんですよね。
もう一つです。今年食料安全保障法を制定し、非常時の作付統制を法制化しました。これ見て私びっくりしました。これも1941年の戦時下の法律ですよ。こういうようなものを作り、かつ日本の食糧自給率が低いことを全く問題視してませんよね。ものすごく矛盾してますよね。普段から耕作してなかったら、作付けをして1ヶ月後に農産物できるはずがないんですよ。そういう極めて非現実的な政策を打とうとしているところにも、この矛盾の大きさってものがあるんじゃないかと思うんです。安倍政権以来、原発の再稼働と輸出は先ほど言いましたけれども、一番大きな応援団に対する見返りですよね。これ出来てないです。今再稼働するっていうことで例えば能登半島地震で志賀原発が極めて大きな実は事故起こしているんですよ。事故って言っていいと思います。あの電源を供給する電気系統。冷却水を冷やす装置が必要です。中能登というところから、変電所通して電源を送る2系統あったうち1系統が駄目だったんです。あと1系統だけでようやく今動いてますが、ただあのあそこは震度7だったところで沖合にまだ動く可能性がある海洋上の活断層がある。これがまた動いてきた場合は、おそらく志賀原発はもう動けないっていうか事故を起こす可能性大であるということになってしまいますし、もう一つは津波はなんと上越地方新潟県こちらたかったんです。柏崎刈羽原発の放射性廃液を貯めたプールが揺れて、その廃液の一部がもれだした。これ、知ってますか?でこれです。あの再稼働を求めて行ったのが国です。そして新潟県知事は今年かまあ、来年か知事選迎えていてでどうするかってことで最初、住民投票やると言ったんだけども拒んでますよね。今、住民運動で住民投票やるべきだってことを、新潟の人たちがやっています。重要基地がこの神奈川県もあるんですよ。で、原発の危険、事故の危険を伴いながら、果たしてそういう無理をしていいのかどうか。むしろ、電力エネルギーはできるだけ分散して地域の中で循環している再生可能エネルギー軸にしながらやっていくほうがより安全であるし、地震等に対してもすぐに対応できるんですよ。これ、能登半島地震から学ぶべきだと思いますけれども、そういうことになってないっていう。決めたことはどんどんやっていくっていう。まあ、そういうことで硬直的な政策が続いているってことです。
<地方自治法の改正の中身>
そして地方自治体にかかわっては国の指示のもとに置くいうことで、地方自治法改正2024年の国会でまあ成立をしてしまったんです。補充的指示権というちょっとよくわからない言葉をまた使いましたで。いざという時、非常な事態で。最初に法案作る前の地方選と調査会の議論では非平時、平時では無い日です。非ずという言葉を使ってます。これ日本語的に言ったら戦時ですよね。有事ですよね。でもそう変えたら国民的反発は明確です。そこで重要な事態、重大な影響を及ぼす事態という国民の安全にね。こういう言葉遣いにして、この中にはロナとか感染症も入るし、災害も入りますよ。でも必ずそこには等、等しい、「災害等」って書いてあります。この中には当然戦争を想定しているという風に考えていいと思いますよね。災害時だけでなく、有事の際に国会や地方自治体の上に立って上意下達の指示、さらに行政代執行もできます。沖縄県がそういうようなことに対して反発しようとしたら、今は法的に対応できた。でもこの地方自治法改正されためにもうできないわけですよ。国が直接代執行するってことは、法的に許されるということになってしまったんです。これからも同じようなことが起こり得ます。国が内閣閣議決定において勝手に、こういう事態だって認定をしたら、県とか市の動きをストップさせて、そして介入することができるっていう、こういう風な形で明らかに明治憲法下の国と地方公共団体の関係と同じじゃないですか?縦の関係です。それを止めて戦争をやらせないって形で水平的な関係で団体自治を認めたわけですよ。これをです、否定をするっていうことにつながりかねないような大きな、法改正だったんです。これは地方自治の分野での解釈改憲とみなしていいかと思います。さらに、これあまり知られてないことになりますが、地域共同活動団体いうものを市町村長が指定することができるし、一旦指定されたら随意契約で時間限定もなく財政的にも施設的にも人為的に支援することができるっていう、そういう仕組みが入りました。これは角田さんが、あの住民と自治の中に書かれていて、自治体問題研究所のホームページでも閲覧することが自由にできますので、ぜひ詳しい事はそちらを見て欲しいですけれども、まちづくりだけじゃなくて、こう言い方してます。防犯、防災やまちづくりに協力してくれる団体を地域共同活動団体と指定し、財政、人、施設の支援を手厚く行うことができる。こういう風な仕組みです。もともとは中山間地域、山の方の集落単位の地域運営組織が財政的にも人的にもやっていけない、このサポートを恒常的に行う必要があるっていうことから始まってきましたけれども、中山間地域だけの自治体の問題じゃない。大都市部でも自治会が回っていかないとか、担い手がいないとか、あるいは様々な社会的問題が起こってきている。これに対して対応するための組織を維持するために、市町村長が条例に基づいてこういう団体を指定したら、これをサポートすることができるっていう。こういう内容です。これは、かなり難しいです。今のところ、その団体の自律性を認めていく、保証していくってことを言いながら、自治体がやるべき、その課題の遂行に協力してもらう。下請け的な役割です。この2つを同時に書いているんですよ。どちらを各自治体が優先するか、あるいは例えば自治体の首長が、自分が可愛がっている企業、あるいは企業人をこの仕事に招き入れるために、この仕組みを使う可能性があるわけですよ。こういうようなこととか、あるいは反社勢力これが入り込む可能性だって無いではないです。指定管理者以上にこれ難しい問題で、チェックする仕組みとても大事ですよね。地域づくりに、本当に貢献するのかどうか、そしてやったとして事後的にチェックできる仕組みがあるかどうか。これがですね、これからおそらく12月議会以降に地方市町村議会に上程されていきます。まだ一個も制定事例がありませんので、参考になる情報ありませんけれども、これは皆さんがぜひ議員の方々と、あるいは自治体職員の皆さんと情報交換密にしながらチェックをお願いしたいなと思っています。ただ、私がもっとも将来的に危惧しているのは昭和18年、1943年の地方制度改革と同じようなものにならないかということです。これどういうものかと言ったら、すべての町内会や部落会を市町村の下の行政組織に位置付けたわけです。そこで、動員や配給、徴兵、全ての業務をここでやっていくわけですよ。そこには防犯、防災が入っています。あらゆる自治体のエリアで、仮にこういう組織ができて指定されて、そしてのちに、首長、国が考えるようなことをしない限り、お金を続けて出すことしないよ、といういう風な財政誘導された場合。ここの団体がちゃんと物を言って自立した運営ができるかとなれば、逆になる可能性の方が心配されますよね。そしたら、すべて国家の意思に基づいて、地域のあらゆる組織が動いてしまうという、こういうものに変わってしまう可能性もあるわけですよね。そういうのにならないようなチェック体制。これも日頃から行ってことが必要ではないかということです。
<新しい戦前にどう対抗するか>
新しい戦前と言われるものにどういう形で対抗するのかっていうことです。戦争国家づくり、とても怖いなと思われたと思います。果たして盤石なのかっていうと、私はそうでもないと思っています。一つは、日米両国とも政治が流動化しています。決してこれで安定しているわけではないっていう、とりわけ、日本の場合は少数与党政権になってしまう。安倍政権が、脱落をして行く。安倍政権の主力メンバーが弱くなってしまった。明確な改憲勢力は国会内で改憲発議をすることができない状態になっています。ただ解釈改憲ということでは、もう先ほどから動きはずっと法的にも定められていて、現場で続く可能性が大です。こういうものをチェックしながら、その戦争への動きをきちっと止めていくというような取り組みを、これから強めてことが必要ではないかということです。それから防衛省や自衛隊はどうなのか。かなり腐敗仕切っている。自衛官がどんどん辞めている。補充ができないんですよ。そりゃそうですよね。国民の安全を守るために、あの災害対応で感動したから私入りましたって自衛官。私も何人も知ってます。戦争行って他国で人を殺して来いって、あるいは自分が死ぬかもしれない。こういう恐怖感の中に入っています。で、そういう中で自衛官、自衛隊をどうするかって問題。こういうものも改めて問い直していくことも必要ではないかと思うんです。さらに防衛産業、原子力産業もこれ、東芝とか三菱とかに象徴されます経営がたがたです。リストラもしないといけない。今一時的に防衛特需でものすごく収益上がってんですよ。株価があがってます。でもこれがずっと続くとは限りません。原発の技術も弱くなってます。安全確保できないですよ。こういうようなところにもありますし、沖縄、神奈川では地域と環境、社会環境を含めて基地が生み出す公害、犯罪、これが大きなもので基本的人権を犯している、あるいは犯罪ということで貴重な命まで奪われている。こういうようなことになっていますが、PFAS、フッ素酸化物の汚染もあちこちで基地周辺では発見されています。そういう中で日米地位協定のひどさっていうもの、これがかなりの認識として広がってきているんではないかと思っています。住民と自治の今回の特集で、沖縄県の職員の方が大変貴重な論考を寄せています。日本の日米地位協定と自治体の問題と同じようなことが、例えば同じ配線国であるドイツとイタリアどうなっているか?ほかの国も韓国含め調査しています。実は犯罪を起こした時の国内法適用を認めていないのは日本だけです。これはあまりにもひどいですよね。これが明確に調査結果から出てきています。でそういう際ですね、自治体の首長がこの問題に対してきちんとモノが言えるか、沖縄の知事のように。ここが問われてきているじゃないかと思うんです。現行憲法っていうものにしっかりと足場を置きながら、それを実現していく方向で常にリードしているような首長であってほしいというふうに私は思います。そして、地方自治体の現場では、集会所が借りられない。あるいは公民館法で、憲法9条守れと言う風なデモの描写をしただけで載せられない。これは訴訟になりました。こういうことがあちこちで空いてます。図書館にあるさまざまな本のチェックをして見せない。住民に。こういう事もありますよね。この市川正人さんの岩波新書すごくわかりやすくていい本です。こういう問題っていうものが、やはりあの政治的中立性というものを過度に狭く捉えて、憲法アレルギーという考え方がどうやら教育委員会に特にはびこっている。ここを変えていかないと学校教育、社会教育のところで、この新しい戦前を社会的に許してしまう状況になってしまうんじゃないか。こういうことに対してもいちいち「はて」と考えて、そして問題提起をして止めていく。あるいは場合によっては裁判という形で戦っていくってことが必要ではないかというふうに思うんですよね。
地域外交というものを、最初に言ってますけれども、あの皆さんがたの自治体でも非核平和宣言自治体とか、あるいは世界連邦都市宣言自治体というところがあるかと思います。あるいは友好都市協定を持っているところもあるかと思います。憲法九条守れっていう首長の会が、そこに参画している首長がいる自治体もあるかも知れません。私はこの地域外交という考え方、これも住民の自治に書いてあって大変勉強になります。国の外交というのは、背後に軍事力があり、軍事による脅しもあります。でも自治体は軍隊持ってません。はじめから平和外交です。そして、経済交流、文化交流、社会交流をとうして、平和な人間関係を国境を越えて作っていく。幾重にも。そしたら、要らぬ脅威でもって戦争賛成だっていう声を消していくことができます。顔を見て、知り合っているところであえて戦争をやるかという声の方が、むしろ多数派を占めていくということを、足元から行っていくことがとても大事なことではないかと思うんですよね。ということで時間オーバーしてしまいましたけれど。私の話終わります。ご静聴ありがとうございました。
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