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理事長 山崎圭一(やまざきけいいち)のごあいさつ

新年のご挨拶
理事長 山崎圭一(横浜国立大学大学院国際社会科学研究院・教授)
明けましておめでとうございます。
旧年中は、11月29日(土)の神奈川自治体学校を含め、いろいろとお世話になりました。本年もよろしく御願い申しあげます。
さて、お正月から、驚くべきニュースが海外から飛び込んで参りました。1月2日の深夜から3日の未明(現地時間)にかけて、突然米国トランプ政権が南米ベネズエラの首都カラカスに軍事攻撃をしかけ、ニコラス・マドゥロ大統領と妻を拉致して、米国に連れ去りました。米国は、37年前の1989年にパナマのマヌエル・ノリエガ将軍(同国の最高指導者)を逮捕して、米国での裁判で有罪にしました。共和党のブッシュ(父)大統領のときでした。前例があるとはいえ、トランプ大統領の国際法無視の軍事行動に驚きました。この衝撃が収まらぬうちに、今度はデンマークの自治領であるグリーンランドを侵略する、あるいは購入するとの計画をトランプ大統領が打ち上げ、米国とヨーロッパ諸国との軍事的緊張が高まっています。
常軌を逸した国際情勢で目を回していると、今度は国内から、「とんでもない」ニュースが飛び込みました。高市早苗首相による、通常国会での予算審議を放置しての、突然の衆議院解散・総選挙の決定です。国会で不信任決議が可決された場合の憲法69条による解散ではなく、「7条解散」のほうです。広く知られているように、7条による解散権をめぐっては法学者の間で学説上の激しい対立があります。私は法学者ではないので、あくまで一市民としての感覚ですが、7条が首相の解散権の根拠になるとは読めません。百歩譲って、解散権が認められると解釈するにしても、口実や理由が必要なはずで、過去の解散では、それなりの言い訳つまり政策の選択論があったように思います。しかし今回の解散にはそれがない。あえていえば、解散理由は、<私が首相でいいですか?>ということです。なので、上で「とんでもない」と書きました。
つまり、今回の総選挙の目的は、<私はこれから独裁者になるけど、いいわよね>という承認を得ることです。今回の選挙で高市氏が信任されると、ついに独裁者が誕生すると思います。民主主義は―実質的には戦後ずっと不十分な民主主義でしたが―、今度は形式的にも終わるでしょう。独裁的な法制度の整備を進め、戦争を始める可能性がきわめて高いと、周辺国は警戒するでしょう。ファシスト国家が誕生するのか、それを阻止するのかの、分け目の選挙です。何としても、ファシスト政権の誕生とその後の戦争への突入を阻止しないといけません。
穏やかな新春のご挨拶を書きたかったのですが、荒々しい内容になってしまいました。この状況では、やむを得ません。
このような内容のあとに申しあげるのも変ですが、2026年がみなさまとご家族の生活にとってよい年となることを、お祈りいたします。
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