神奈川自治体問題研究所



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理事長 長尾演雄(ながおのぶお)のごあいさつ


  研究所の活動に、 いま、何が求められているでしょうか


        理事長・長尾演雄

 “住民が主人公の自治体づくり”を目指して活動している自治体問題研究所にとって、山中横浜市長の誕生は最大の関心事の一つになりました。8月で一年を迎える山中市政で、思うことを記しながら、研究所活動になにが求められているのかを明らかにしたいと思います。
 カジノの反対の切実な願いから、市民と野党の共同の奮闘で山中市長は生まれました。彼の最初の予算には、公約したものが顔を出していませんでした。また、4年間の市政の在り方を決める「中期4か年計画の基本的方向」の中にも、公約が読み取れません。
 “政治の世界”の厳しさをまざまざと見せつけられた思いです。山中市長の誕生に熱い願いや期待を膨らませた横浜市民には落胆や失望感を抱かせているに違いありません。
 少し考えれば分かる事ですが、それは、横浜市民の力量の反映だと言わざるを得ません。横浜市議会の“政治地図”にしても、立場を異にした者との対話や共同の形態や選挙運動のあり方に現れている横浜の“政治的風土”にしても、とどのつまりは、わたくしたち横浜市民の共同の力量の反映の何物でもないと言わざるを得ません。悔しいが、それが実態です。
 言うまでもありませんが、市民の願いである公約の実現には、山中市長を誕生させた市民の共同が量的にも質的に大きく発展することです。
 といっても、それは、口で言うほど容易いことではありません。
 1990年後半以降、吹き荒れた新自由主義の嵐の後遺症はいまだ回復されていません。家族や近隣の親密な人間関係が破壊され、親密圏が剥奪された人びとは、一人ひとりの人間のかけがえのなさを保障するものを失い、また、「構造改革」による「競争」と「評価」に直に晒されることになりました。「競争」と「評価」に駆り立てられるシステムの「生きにくさ」が、人間関係の苦手な人々を「引きこもり」や「自傷行為」に走らせ、ますます、自己への嫌悪を募らせ、「総中流」の気分から「一億総うつ」状況に一転しているように看えます。この状況をどのように克服するかが、いま、国民的な課題の大きな一つになっているように思われてなりません。地域住民の共同の力で住民主体の地域と自治体つくりを願う自治体問題研究所にとっては、この課題は避けて通れません。
 しかし、このような活動は、人と対話し、交わることを避けたい性向のある住民や人と関わることを苦手とする住民をも含めたすべての住民との共同・協働以外に方法はないのだから、しょっぱなから難題を抱えた仕事にならざるを得まえません。
 いま、地域が抱えている課題や社会が提起して具体的な問題に取り組む活動を、その問題を抱えこまされている住民たちが肩書抜きの対等平等で、しかも自発的に組織していく学習会や研究調査活動などの共同活動の中で、話し合い、議論する協働的「活動と語り合い」に参加する意義や意味を、今一度取り戻す体験をし、孤立した存在という感覚を乗り越える共同経験を積むというような活動以外にその道は思いつきません。 いま、強く求められていることは、そのことだとわたくしは捉えてみました。ここにこそ、研究所の今日的出番があるように思われてならないのです。
 研究所活動しながら、是非、検証してみて頂けませんでしょうか。
 

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2022年8月1日更新