神奈川自治体問題研究所



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理事長 大須眞治のごあいさつ


 大須眞治理事長が新年のごあいさつを、申し上げます。

大須理事事長の写真   憲法を守る運動が一歩でも二歩でも進む年に


        理事長・大須眞治

 新年あけまして、おめでとうございます。
 さて、今年は大きな選挙が予定されています。夏には参議院議員の選挙があり、4月7日には、県知事選、政令指定都市の市長選、都道府県の議員選挙、政令指定都市の議員選挙、 4月21日には市区首長選挙・議員選、町村首長選、町村議員選挙があります。
 選挙は政治に国民の意志を反映させる貴重な機会であり、われわれの声を受けた議会が国政の方向を変えていくもので、国民一人一人の貴重な声を政治家に直接聞かせる重要な 場として活用していかなければならないと思います。
 翻って昨年の日本の政治状況はあまりにも大きな汚点を憲政史上に記したと言わざるをえません。財務省による組織的な公文書の改ざんと破棄が行われたのです。 国民ひとりの支払った貴重な税金の使い道を決め、国の財政所管する中央行政機関としてはありえない不祥事を起こってしまったのが致命的でした。 公文書は「公務員の命」ともいえるものであり、その公文書を公務員自身が改ざんし、破棄したのです。
 このような重要な事件が財務相のお膝もとで起こったにもかかわらず、麻生太郎財務相はみずから身を引くこともなく、首相も財務相の続投を許し、だれもがこの事件の責任をきちん と取ろうとしなかったのです。
 記録・公文書は政治の要です。それを改ざん・破棄する政治が安倍政治の実態と言わざるをえません。財務省でこのような事件が起こったのも、問題の深さを一段と深めました。 そもそも財務省は国民から税金を徴収し、その保管、その使い道を厳正に管理する部署にほかなりません。当然その管理の実態は厳正に記帳され、その記録は厳重に保管されなければ なりません。その部署で記録や改ざんされ破棄されてしまったのでした。国民ひとり一人が収めた税金は一体どうなっているのか、苦労して税金を払った国民は不安にならざるを えません。文書が欠落していてどう説明がつけられるのかどう考えてもわからないことばかりです。
 「いいかげんな政治が行われている」と、国民から疑われてもしかたのないことが起っています。本来国民の皆が共同の財産として守り続けたものまでが、勝手に私的な営利企業に 譲渡され、企業の営利のために活用されることになります。思いかけないものが、金に化け、会社や外国に売られてしまうことも起こりえます。そうでないとしても、それを説明する 文書は失われてしまっているのです。
 「水道法の一部を改正する法律案」が昨年12月に国会で成立しました。水道法は日本国憲法25条の内容を具現する法律です。 憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進につとめなければ ならない」。となっています。
 この公衆衛生の実現は、水道抜きには考えられません。日本では水は洪水か津波の時にしか意識されませんが、アフリカなどでは生まれてきた子供に清浄な水を与えるために母親が 懸命に駆けずりまわるのが通常になっています。日本で清浄な水を得るのが大きな問題にならないで済んでいるのは、降ってきた雨を注意深く監視し、豊富低廉で清浄な水を得ることに 絶えず、注意を払ってきた優秀で、勤勉な水道担当の公務労働者が自らの勤労を昼夜分かたず続けてきた結果ではないかと思います。
 今回の改正について厚労省は、「水道経営について、市町村が経営するという原則は変わらない」とし、地方公共団体が、水道事業者等としての位置づけを維持しつつ、水道施設の 運営権を民間事業者に設置する方式=「コンセッション方式」を提起しました。水道事業に民間資金の活用を取り入れました。これはこまでの水道運営を根底から変えることを意味し ます。
 これについては、衆議院本会議で「安全で安心な水を供給してきた日本の水道事業が、利益ばかりを追求する民間事業者に売り渡されることにつながりかねない」との批判も出てい ました。
 最近、堤未果さんが「日本が売られる」という本を出しました(玄冬社新書)。その27頁に次のような文章があります。
「2013年4月。当時の麻生太郎副総理は、米国ワシントンにあるシンクタンク『戦略国際問題研究所』の席で、こう発言した。“世界中ほとんどの国では、プライベートの会社が水道を 運営しておられますが、日本では自治省以外では、水道を扱うことができません。しかし水道料金の回収が99.9%というようなシステムを持っている国は、日本の水道会社以外にあり ませんけれど、この水道は全て国営もしくは市営、町営でできていて、こういったものを全て・・・民営化します」
 水道事業は公営であるため地域独占となっています。この条件があって清浄で豊富低廉な水の確保が可能になります。この条件を、私的利益を追求する民間企業が譲り受ければ、民間企業は水道経営で莫大な利益を得ることができます。そして国民は清浄で豊富低廉な水を自らの手から離すことになります。国民生活の基盤は国民の手から離れることとなります。このような事態に陥ることを防ぐために国民と地域、住民そして地域の議会、自治体が一体となって、水道が私的利益の餌食となることを防がなければなりません。これは憲法を守る運動の一翼を担うこととなります。 憲法を守る運動は地域から私たち住んでいるあらゆることろから進めていくことができます。なぜならの日本国憲法の一条一条は私たちの生活のひとつひとつを守るためにつくられてい るからです。今年はそんな運動が一歩でも二歩でも進む年にできればと思っています。   2019年1月

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2019年1月9日更新