自治体問題研究所(全国研究所)の出版物
公共サービスのSaaS化と自治体
自治体は SaaS 利用契約にどう対応するか
本多滝夫・稲葉一将 編著 稲葉多喜生・神田敏史・眞田章午中山徹著
定価 1540 円(税込み)
SaaS は、公共サービスや準公共サービスを提供する自治体などにとっては情報シス
テムを一から作り管理する手間を省くことができ、大変使い勝手の良いものです。
しかし、使い勝手の良さの反面、自治体だけでなく、サービスの利用者も、SaaS を運用する
ICT 事業者に住民または自らの個人情報を提供することが前提となっています。SaaS 利用の拡大は、住民の個人情報の脅威になっています。
本書では、保育所や母子手帳などSaaS 利用の実際の紹介を通じて、その仕組みを解説するとともに、自治体が ICT 事業
者と SaaS 利用契約を締結する際に求められる視点を提案します。
<主な内容>
1 デジタル社会と SaaS- 本多滝夫
デジタル社会とクラウドサービス/クラウドサービスとは/ガバメントクラウドと SaaS の重視/窓口 DX
SaaS/準公共分野の DX と SaaS
2 自治体保育業務の SaaS 化―その実態と課題― 稲葉多喜生
保育園の基幹業務をシステム化する保育 SaaS/SaaS 化で曖昧になる自治体の個人情報保護/海外の保育
SaaS は個人情報をどのように取り扱っているか/個人情報の適正な取扱いにむけて
補論 デジタル庁「モデル仕様書(保育業務支援システム)《について- 稲葉多喜生
利用規約への同意の現状/モデル仕様書の改善策
3 「マイ ME-BYO カルテ《による健康医療情報の収集と活用について- 神田敏史
「マイ ME-BYO カルテ《の利用登録と提供サービス、収集情報/個人情報の取扱/SaaS としての「マイ
ME-BYO カルテ《アプリケーションの特徴
4 個人情報保護と同意のあり方―自治体が SaaS を利用する場合の視点― 眞田章午
個人情報保護と同意に関する問題/個人情報保護法と同意/同意の実質化の方法/SaaS 利用と本人の同意
のあり方
5 SaaS 利用の契約諸関係が有する問題点と自治体の課題- 稲葉一将
調達契約の公共性が問われている海外の動向 /SaaS 利用契約の諸関係 / 議会と執行機関との関係
資料 デジタル庁「モデル仕様書《
地域から築く自治と公共
カギは「自治と公共性の再生《にある!
中山徹著 定価 1210 円(税込み)
政府は、防衛庁設置法改正、経済秘密保護法を成立させ、「戦争できる国《づくりに
邁進し、現在、審議中の地方自治法「改正案《では、国が自治体に指示できる仕組み
を盛り込んでいます。一方、自治体では、学校や病院の縮小再編が進み、住民サービ
スを担う職員の削減・非正規化が強行されています。
このように、どの局面でも市民が上在です。では、どうすれば市民の意向を反映で
きるのでしょうか。「投票率の上昇《をポイントに直近の地方政治を分析し、「自治と
公共性の再生《の観点から地域を変える主体形成のあり方を考えます。
<主な内容>
1章 地域に関連する国政の動向―戦争できる国づくり、社会保障費の削減、経済無策―
1 戦争できる国づくり/2 社会保障改革による国民負担拡大/3 破綻に直面する新たな成長戦略
2章 自治体の動向―国に追随、公共性の放棄、非民主的運営―
1 国の政策に追随/2 大型開発による地域活性化/3 市民向け施策の削減/4 人件費の削減、
非正規化/5 非民主的な行政運営
3章 地域と市民生活はどうなるのか
1 地域の平和が脅かされる/2 暮らしの基盤が崩れる/3 新自由主義的な政策で地域と生活が破
綻する/4 地方自治の縮小
4章 自治と公共性の再生
1 自治の再生/2 公共性の再生/3 自治体の再生/4 自治体の民主的運営
5章 地方政治が動く条件
1 地方政治が動いた選挙の特徴/2 地方政治を変革する主体
緊急出版!都市公園とPPP/PFI
公園の木はなぜ切られるのか
市民の拠り所で木が切られ、稼ぐ場所へと変容!
尾林芳匡・中川勝之 著 A5判並製カバー、64 頁 定価 990 円
明治神宮外苑の再開発計画が進んでいます。再開発により、外苑の
樹木の大量伐採につながるのではないかと、各方面から批判の声が
上がっています。故・坂本龍一を初め、桑田佳祐、村上春樹らも反対
意見を表明しています。実は、このように「公園の木が切られる《
事態は日本全国で起こっています。自治体、行政が市民のために公
園を維持するよりも、「稼ぐ公園《へとシフトしているのです。そこ
には「公園 PFI《という手法を用いて、民間企業を取り込み、都市
公園の民営化、産業化の動きがあります。大阪、埼玉、東京、静岡、
長野、兵庫の実例を取り上げて、都市住民の拠り所である公園をど
のように守っていけばよいのか、考えます。
【目次より】
第 1 章 外苑の森が危ない
明治神宮外苑の森が危ない/外苑の森が大きく変わる再開発計画/東
京都が旗振り規制緩和/住民も議会も知らないまま進む計画/急速に広がった反対の声
第 2 章 全国で広がる公園 PPP/PFI の動きと概観
都市公園はいま/都市公園法のあらまし/公
園 PFI(Park-PFI)の導入のいきさつ/2017 年都市公園法改正と「稼ぐ公園《/公募設置管理制度
の特徴/都市公園リノベーション協定制度/公園 PFI(Park-PFI)の問題点
第 3 章 PPP/PFI とは
PPP/PFI とは/PPP/PFI が進められてきた背景/自治体民営化を進める
制度とその特徴/PPP/PFI の問題点/PFI の動向とくりかえされる法改正/スタジアム・アリーナ
改革/会計検査院 PFI 報告書/PFI の見直しや中止の動き
第 4 章 公園をめぐる全国の事例
大阪市・「木を切る改革《と「稼ぐ公園《/さいたま市・与野中央公園/京都府・北山エリア/東京
都・日比谷公園/静岡市・城北公園/長野県須坂市・臥竜公園/兵庫県・県立明石公園
住民に身近だからこそ輝く自治の軌跡
「平成の合併《推進に与しなかった、
自律・自立を貫く小さな自治体の取り組み!
全国小さくても輝く自治体フォーラムの会自治体問題研究所 編 A5判 並製 204 頁 定価 1980 円
「平成の合併《時代に自律・自立の道を選択した小さな自治体が、小規模自治
体の維持と発展を図ることを目的とする交流の場「全国小さくても輝く自治体
フォーラムの会《を設立。本書では、「平成の合併《とは一体何だったのか、25
年目の検証をした後、フォーラムの会の会員自治体が行う、住民に身近で小さ
いからこそできる、自治行政の先進的な取り組みの数々を紹介する。
【目次より】
第一部 「平成の合併《から二五年目の検証
第一章 「平成の合併《とは何だったのか/第二章 小規模町村の自治体間連携―「圏域行政《
と異なる「圏域自治《とは/第三章 人口減少時代の自治体の歳入の特徴/第四章 小さいまちとむらの教育の課題と可能性/第五章 「小さくても輝く自治体フォーラム《運動の歩みと歴史的意義
第二部 小さい自治体の輝く自治
第六章 群馬県上野村 移住者とともに村づくり―持続する地域社会をめざして/第七章 千葉県酒々井町 「文化観光のまちづ
くり《に向けて―大学との協働事業「大吊・旗本御膳の復元《の試み/第八章 千葉県一宮町 千葉県立一宮商業高等学校のスーパープロフェッショナルハイスクールの取り組み/第九章 岡山県奈義町 合計特殊出生率二・九五%“奇跡のまち”の少子化対策/第一〇章 鳥取県岩美町 地域における健康づくり推進事業―自治会単位での健康づくり活動を、保健師、管理栄養士と共に
地域資源・再生可能エネルギーの
全体をまとめた日本初となる書籍!
地域資源入門
―再生可能エネルギーを
活かした地域づくり―
工学博士/株式会社 NERC(自然エネルギー研究センター)代表取締役/株式会社 NETC(自然エネルギー技術センター)代表取締役/株式会社 BES(バイオエナジー・ソリューションズ)代表取締役
大友 詔雄著 A5判・並製カバー・338 頁/定価 3520 円(10% 税込)
太陽エネルギー、風力エネルギー、水力エネルギー、バイオマスエネルギー、
廃棄物など、地域資源・再生可能エネルギーの全体をまとめた日本初となる一
冊。また、自治体、市民にとって再生可能エネルギー導入に役立つ、具体的な
取組方法と事例付き。北海道芦別市「木質チップ燃料製造工場と熱利用による
林地未利用材の利活用による地域内経済循環構造《の実証、群馬県川場村「バ
イオガスプラント(メタン発酵)と太陽光発電とのハイブリッド《ほか。
【目次より】
まえがき―歴史的転換点の押さえ―
第 1 章 時代認識/第 2 章 地域資源/第 3 章 太陽エネルギー/第 4 章 太陽エネルギー起源の自然エネルギー/第 5 章 廃棄物/第 6 章 水素とグリーン合成燃料/第 7 章 エネルギー供給と貯蔵の技術/第 8 章 地熱/第 9 章 海洋資源/第 10 章 食料/第 11 章 交通/第 12 章 都市―大都市のリスクの本質的解決(過密の解消)と地方の農山漁村社会の再構築―/第 13 章 雇用/第 14 章 具体的取組方法と事例/まとめ
私たちはどのような社会に暮らしているのか
基礎から考える社会保障
私たちの生活を支える制度と仕組み
村田隆史・長友薫輝・曽我千春 編 A5判並製カバー、310 頁 定価 2970 円
私たちは、どのような社会に暮らしているのか。生活を支える制度
や仕組みを基礎から考える。
社会保障のあゆみ、制度、機能を基本理念に基づいて解説し、その
現状を年金・医療・介護・労働保険、障害者福祉、子ども家庭福祉、
公的扶助の各論から示す。併せて、アメリカ、韓国、ドイツ、イギリ
スの社会保障を概説し、社会保障が当面する課題を、財政、福祉労働、
市場化・営利化・産業化の観点から明らかにする画期的なテキスト。
【目次より】
第 1 部 社会保障の発展過程と理念・概念
第1章●社会保障のあゆみと基本理念/第 2章●社会保障の機能と体系/第 3 章●社会保障をめぐる論点
第 2 部 社会保障の制度各論
第4章●年金保険制度/第 5 章●医療保険/第 6 章●介護保険制度/第 7 章●労働保
険[労災保険・雇用保険]/第 8 章●障害者福祉/第 9 章●子ども家庭福祉/第 10 章●生活保護と低所得者施策
第 3 部 諸外国の社会保障
第 11 章●アメリカの社会保障/
第 12 章●韓国の社会保障/第 13 章●ドイツの社会保障/第 14 章●イギリスの社会保障
第 4 部 社会保障が当面する課題
第 15 章●社会保障と財政/第 16 章●社会保障と福祉
労働/第 17 章●社会保障の市場化・営利化・産業化
住まうことの豊かさを求めて
地域居住とまちづくり
多様性を尊重し協同する地域社会をめざして
中山 徹 編 A5判並製カバー、314 頁 定価 3520 円
日本の諸都市を初め、中国、イギリス、カナダ、そしてデンマーク、モンゴル、さまざ
まな場所で、住まうことの豊かさを求める市民の暮らしと活動を伝える。
「Ⅰ 参加型まちづくり《
「Ⅱ 子育てしやすいまちづくり《
「Ⅲ 高齢者が暮らし続けられるまちづくり《
「Ⅳ 少数民族等の文化を生かしたまちづくり《
「Ⅴ 人口減少と持続可能なまちづくり《
の 5 つの柱から、地域での暮らしを重視した「まちづくり《のあり方を、
興味尽きない図版、写真を多数駆使して考える。
【目次より】
はじめに―人口減少時代におけるまちづくりの基本方向―
Ⅰ 参加型まちづくり
Ⅱ 子育てしやすいまちづくり
Ⅲ 高齢者が暮らし続けられるまちづくり
Ⅳ 少数民族等の文化を生かしたまちづくり
Ⅴ 人口減少と持続可能なまちづくり
おわりに〈この時代に空間的最適解をどう求めるか〉
学校統廃合と公共施設再編の真のねらいは!
学校統廃合と公共施設の複合化・民営化
―PPP/PFI の実情―
山本由美・尾林芳匡 著 A5判並製カバー、96 頁 定価 1100 円
いま、多くの地域で学校統廃合と公共施設の「複合化・再編《が
急速に進められようとしている。
しかし、その「再編《には公有
地を民間の営利事業に提供する政策や、公共施設を大規模に再編
して収益を上げていこうというねらいがみられる。
学校施設と公共施設の「再編《に活用されている PPP/PFI の仕組みと問題点
を明らかにして、「地域の未来《にかかわる「学校施設《はどうあ
るべきか、「公共サービス《に求められる 5 つの視点「①専門性・
科学性、②人権保障と法令遵守、③実質的平等性、④民主性、⑤
安定性《から検討する。
【目次より】
Ⅰ 学校統廃合の新しい段階と対抗軸の
可能性―学校施設の複合化、民営化―
第1章 学校統廃合と PPP/PFI
第2章 PPP/PFI 手法を用いた学校統廃合の
教育学的問題点
Ⅱ 学校施設と PPP/PFI
第3章 PPP/PFI とは何か
第4章 進められてきた公共施設再編の政策
第5章 学校施設の役割と内容
第6章 学校施設と PPP/PFI
Ⅲ 学校をめぐる PPP/PFI に関する事例
第7章 学校施設整備と PPP/PFI に関する具
体的な動き
1 京都府京都市●子どもの教育権保
障の格差と欠落/
2 埼玉県越谷市●
担当事業者の選定が上透明な事例/
3
東京都渋谷区●学校統廃合が再開発に
ねらわれる/
4 東京都町田市● PFI
モデル地区として推進事例/
5 東京
都東村山市●民営化を伴う学校を中心
とした公共施設の再生を問う
新型コロナ感染症とは何だったのか!
感染症と教育
私たちは新型コロナから何を学んだのか
朝岡幸彦・水谷哲也・岡田知弘 編著 A5判並製カバー、230 頁 定価 2530 円
新型コロナ感染症とは何だったのか。教育界を中心に対応の変遷から考える。
コロナ禍は日本の教育にどのような影響を与えたのか。
コロナへのさまざま
な対応を時系列で跡づけて教育学、ウイルス学、地域経済学、地方自治、法
学、倫理学等の観点からパンデミックの本質に迫る。詳細な政策の対応経過
を年表化して掲載。
【目次より】
1章 私たちは新型コロナから何を学ぶのか
第2章 コロナウイルスとは何なのか、何だったのか?
第3章 国と自治体はコロナ禍にどう向き合ったのか
第4章 教育委員会は新型コロナにどう対応したのか
第5章 新型コロナウイルス感染予防のための学校一斉臨時休業と法
第6章 社会教育は新型コロナにどう対応したのか
第7章 新型コロナに教育旅行はどう対応したのか
第8章 これから感染症に教育はどう向き合うのか
第9章 健康格差の是正に教育はいかに貢献できるか
資料 資料1●新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をめぐる動き(日本)
資料2●緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置に関する通知の一覧
資料3●新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をめぐる文科省の主な動き
資料4●東京都内陽性者数の推移と都の対策のステージ
資料5●C市立α小学校沿革史(新型コロナ関連部分)
マイナンバーカードの暴走!
マイナンバーカードの「利活用」と自治
主権者置き去りの「マイナ保険証」「市民カード」化
稲葉一将・岡田章宏・門脇美恵・神田敏史・長谷川薫・松山 洋・森脇ひさき著 定価1430円(10%税込)
健康保険証、図書館カードや交通パス、各種資格証明書などとマイナンバーカードを紐づける「一体化《政策が進みつつある。
分散管理されてきた個人情報が 1 枚のカードに集約され二次利用されると考えた場合、私たち国民の個人情報は守られるのか。
本書第 1 部では、マイナンバーカード取得「義務化《の実験場とされている医療の実際をとらえ、保険者である自治体の役割を問い直す。
第Ⅱ部では、マイナンバーカードの図書館カード利用や、国のデジタル化「先進《事業と位置づけられている自治体の事例から、地方自治における「市民カード《化の意味と問題点を問う。
【主な内容】
第Ⅰ部 「マイナ保険証《と自治体・保険者
1 マイナカード取得「義務化《の実験場とされている医療……松山 洋
オンライン資格確認で混乱・疲弊する医療現場/マイナ保険証にメリットはあるのか
2 医療保険者である自治体の役割―住民のいのちと健康、個人情報を守るためにできること―……神田敏史
国民健康保険制度の位置づけと地方自治体の役割/オンライン資格確認システムと「マイナ保険証《
3 マイナ保険証と「保険者の自治《… …門脇美恵
公的医療保険の基本構造と特徴/地方公共団体が公的医療保険の保険者であることの意味
第Ⅱ部 マイナンバーカードの「市民カード《化
4 マイナンバーカードの図書館利用……岡田章宏
公立図書館の図書館カード/マイナンバーカードによる図書館利用の方式
5 吉備中央町の「デジタル田園健康特区《構想……森脇ひさき
吉備中央町のデジタル田園健康特区/吉備中央町で3つのプロジェクト
6 国が進める行政 DX 推進の実験自治体となっている前橋市……長谷川薫
まえばし暮らしテック推進事業採択への経過/㈱めぶくグラウンドの事業内容とめぶく ID
7 国家政策の地方展開に対する自治の課題……稲葉一将
国家の側で起きていること/地方自治との矛盾と課題―矛盾があらわれる「市民カード《化事業、問われる地方自治体の存在理由
国家安全保障と地方自治
【安保3文書】の具体化ですすむ大軍拡政策
井原聰・川瀬光義・小山大介・白藤博行・永山茂樹・前田定孝著
A5判・並製カバー・190頁/定価 1980円(10% 税込)
国家は戦争を騙り、国民は平和を語る。国家は「国防三文書《を騙り、国民は憲法
を語る。私たちは平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、あらためて人間の生
命と生活を根源的に脅かす戦争を断固拒否する。「戦争する国《づくりを止め、築こう
世界の平和を!
「防衛産業強化法《「経済安保法《「防衛財源確保法《など「安保(国防)三文書《を
具体化する政策が次々と強行される。これら政策の内容を憲法と地方自治法の視点か
ら読み解く。
【主な内容】
第1章 国防三文書とその批判的検討……………… 永山茂樹
三文書の基調/だれが三文書改定を推し進めたのか/「戦争をする国《の軍事力/「戦争をする国《の社会/改定三文書と憲法の危機
第2章 インド・太平洋地域における安全保障と経済秩序………………… 小山大介
世界経済情勢の変容とインド・太平洋地域/世界経済秩序の「ゆらぎ《とその背景―経済のグローバル化/歪んだ米中対立と世界の分断の実態
第3章 経済安全保障法とその批判的検討………………… 井原 聰
経済安保法の枠組み―緊張を高める「守り《と「攻め《/特定重要技術開発研究/セキュリティ・クリアランスと特定秘密保護法/学術研究体制変質の危機
第4章 国家が軍事産業を育成・強化する「防衛産業強化法《と国家機密の拡大…………………… 前田定孝
防衛産業強化法とは/「軍事産業基盤強化法《の法制度としての特徴
第5章 防衛費(軍事費)膨張と財政民主主義の破壊………………… 川瀬光義
戦後日本の防衛予算と防衛(軍事)力/第二次安倊政権下における防衛費優遇ぶり/安保三文書による軍拡予算
第6章 国家安全保障と地方自治………………… 白藤博行
国家安全保障戦略《の勘所/22 年安保戦略《と沖縄問題/「22 年安保戦略《と第 33 次地方制度調査会の「非平時《論/おわりに―日本国憲法の平和主義への目線
デジタル化と地方自治
デジタル化の【落とし穴】に目をつぶってはいけない!
岡田知弘・中山徹・本多滝夫・平岡和久著
A5判・並製カバー・174頁/定価 1870円(10% 税込)
2017 年度から 21 年度までの 5 年間に、マイナンバー(カード)の紛失・漏洩事案は 5
万 6000 件を超えた。最近でも、マイナンバーカードを活用した行政サービスで、システ
ム上のトラブルが相次いでいる。コンビニで他人の証明書が誤交付され、マイナ保険証
や公金受取口座で他人の情報がひも付けされるなど、混乱をきわめている。いずれも個
人情報が他人に見えてしまう深刻な上具合だ。個人情報の漏洩は人権侵害問題に直結す
る。また、地域活性化の手段とされる「デジタル田園都市国家構想《はブラックボック
スを抱え込んで、市民を置き去りにして、企業中心の事業へと展開する。
こうして、地方行政のデジタル化はデジタル集権制の性格を強め、地方自治の基盤を揺
るがす危険性に満ちている。
【目次より】
第1章 ● 岸田政権の「新しい資本主義《論と経済安全保障・DX
=岡田知弘(京都橘大学教授)
第2章 ● デジタル田園都市国家構想の概要と問題点
=中山 徹(奈良女子大学教授)
第3章 ● デジタル社会と自治体
=本多滝夫(龍谷大学教授)
第4章 ● デジタル化予算と国家財政、自治体財政
=平岡和久(立命館大学教授
入門 地方財政
地域から考える自治と共同社会
平岡和久・川瀬憲子・桒田但馬・霜田博史 編著
A5判・並製カバー・416頁/定価 2970円(10% 税込)
私たちの生活に密接に関わる地方財政を、理論・制度、個別テーマ・分析、改革・展望
の観点から解説します。地域で起っている具体的な問題や優れた地方自治の実践例も紹
介する画期的なテキストです。大学での教科書、地域での勉強会に最適です。
【目次より】
序章●地域から考える地方財政 第1部 理論・制度編
第 1 章●日本の地方自治と地方財政/第2 章●公共サービスと地方経費/第 3 章●地方税と課税自主権/第 4 章●国と地方の財政関係/第5 章●予算制度と住民参加
第2部 個別テーマ・分析編
第 6 章●貧困対策・生活困窮者支援/第7章●子育て支援/第 8 章●高齢者の生活支援/第 9 章●地域医療/第 10 章●教育と地方財政/第 11 章●まちづくりと地方財政/
第 12 章●廃棄物処理と地方財政/第 13 章●地方公営企業の会計/第 14 章●観光と自治体財政/第 15 章●地域経済と内発的発展/第 16 章●農山漁村の自治体財政/
第 17 章●原発・再生可能エネルギーと地方財政/第 18 章●災害対策と自治体財政/第 19章●米軍基地と自治体財政/第 20 章●非営利・協同部門と公民連携
第3部 改革・展望編
第21 章●地方自治をめぐる動向と地方財政/第 22 章●地方財政改革 用語解説・索引完備
地方自治の未来をひらく社会教育
住民の学習と自治を発展させる実践を紹介
社会教育・生涯学習研究所監修/辻 浩・細山俊男・石井山竜平編
A5判・並製カバー・238 頁/定価 2530 円(10% 税込)
地域づくり、ひとづくり、歴史を知る会、おしゃべり会、保育園、デイサービス、子育て広場、
子ども食堂、フードパントリー等の運営、これらはすべて社会教育に関わる実践。社会教育は人
びとの自発的な学びを支援することを通して、一人ひとりの可能性を拓き、人生を豊かにするも
のである。本書では、各執筆陣がそれぞれに力を入れている社会教育の取り組みを紹介するとと
もに、そのための適正な労働のあり方も考える。住民とともに自治をつくる姿がここにある。
【目次より】
序 章 地域・自治体づくりと社会教育労働
第Ⅰ部 地域に自治を育む社会教育労働
第 1 章 自治と協働の地域づくり―住民も職員も学び育つ、飯田型公民館の取り組みから―
第 2 章 自治体職員が地域と向き合うということ―指定管理をしている地区公民館との関わりから学んだこと―
第 3 章 コミュニティ担当者制度による職員の主体形成
第 4 章 阿智村全村博物館構想を実現する自治と協働の協会づくり コラム① 自治をつくる住民の学び
第Ⅱ部 NPM 改革下の自治体と社会教育労働
第 5 章 住民の学びを基盤にした地域・自治体づくりと公務労働
第 6 章 専門職の葛藤と新たな一歩
第 7 章 奈良市生涯学習財団の経営と実践づくり
第 8 章 社会教育実践と社会教育主事の力量形成 コラム② NPM と自治体改革
第Ⅲ部 行政縮小下における行政づくりへの参加の力
第 9 章 自治が育つ学びと協働の歴史的形成―阿智村に移住して学ぶ―
第10章 社会の転換期のなかで住民の学びをつくる公民館
第11章 公民館づくりをすすめる職員の学びと励まし合い
第12章 学びを基盤にした住民と職員と議会 コラム③ 地方自治と社会教育への期待
終 章 転換期の地域自治と社会教育の課題―本書から提起できること―
医療DXが社会保障を変える
医療・健康情報の連携が、社会保障を管理へと変質させる
稲葉一将・松山 洋・神田敏史・寺尾正之 著
A5判・並製カバー・96 頁/定価 1210 円(10% 税込)
「健康保険証を廃止しマイナンバーカードに一本化しよう《という政策のねらいは何か。すでに、
マイナンバー制度を基盤とする国民・住民の個人情報と、医療機関がもつ電子カルテや電子処方
箋などの医療情報、そして各種健診情報を連携させる「全国医療情報プラットフォーム《づくり
へ動きだしている。「医療 DX 令和ビジョン 2030《等の「医療 DX《とよばれるこの改革の背景に
はどのような政策があるのか。「医療 DX《によって、人権としての社会保障制度と医療の現場は
どう変えられようとしているのか。
【主な内容】
序 健康保険証とマイナンバーカードの一体化………………………………………………………………………稲葉一将
健康保険証の廃止方針が打ち出された経緯と背景/マイナンバーカード取得とマイナポータルとの関係/課題を発
見するために(マイナポータルの法的規律、マイナンバーカード取得義務化これ自体の問題点)
Ⅰ 医療情報のデジタル化とデータ連携が医療を変質させる ……………………………………………………松山 洋
医療ビッグデータ構築のためのデータヘルス改革/データヘルス改革を梃子に“医療の統制”へ/データヘルス改
革を梃子に公的医療保険制度の脆弱化・解体へ/医療現場とオンライン資格確認整備/国民・住民を守るために必
要なデジタル化とは
Ⅱ 「健康医療データプラットフォーム《の構築と自治体…………………………………………………………神田敏史
住民の健康医療情報はどう集積され、誰がどのように活用しているのか/NDB データのオープン利用と健康医療
データプラットフォーム/問われる自治体の役割/オンライン資格確認システムとマイナ保険証による「医療を受
ける権利《の侵害
Ⅲ 全世代型社会保障構築政策と地域医療 ………………………………………………………………………………寺尾正之
自民党と経団連がめざす医療 DX の特徴/政府の全世代型社会保障構築政策/健康医療データ連携による地域医療
自治体財政を診断する
「財政状況資料集」の使い方
立命館大学教授・森 裕之 著 B5判並製カバー106頁 定価1870円(10% 税込)
『財政状況資料集』の「経常経費分析表《「歳出決算分析表《「健全化判断比
率《などをページごとに解説して、データが示す多面的な情報を読み解き
ます。そこから浮き彫りになる自治体のさまざまな政策課題をとらえます。
自治体の財政が分りやすく、大切であることを示して、市民や議員が財政
にアクセスするための必携の一冊です。
【主な内容】
はじめに●『財政状況資料集』を活用しよう
第 1 章●自治体財政の概観
第 2 章●財政比較
第 3 章●経常経費分析表
第 4 章●歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)
第 5 章●健全化判断比率と基金
第 6 章●有形固定資産減価償却率(資産老朽化比率)
あとがき●[『財政状況資料集』概要版の紹介]
保育・教育のDXが子育て、学校、地方自治を変える
生まれる前から、子育て・教育の枠を超え「子どものデータ《が収集・利活用される!
吊古屋大学教授・稲葉一将/東京自治労連副委員長・稲葉多喜生/法政大学教授・児美川
孝一郎 著 A5判・並製カバー・98 頁/定価 1100 円(10% 税込)
デジタル改革によって、子どもの個人情報が大量に収集、集積、利活用される仕組みが準備され
ている。本書では、Ⅰこども家庭庁の設置を前に、複数の行政組織や自治体の部局を超えて「こ
どものデータ《が連携・集積される構図とその意味すること、Ⅱ保護者と保育園をつなぐ保育支
援システムによってこどものビッグデータがテック企業に集積される仕組みとその意味すること、
Ⅲ GIGA スクール構想の先ですすむ「教育 DX《政策が公教育にもたらすものを整理する。「こど
ものデータ《の収集と利活用は、子ども像を変えるだけでなく、子育て・教育に携わる専門職の
存在や自治体行政の姿を変えることにつながる。
【主な内容】
Ⅰ 子どものデータ連携と行政組織における調整の強化―こども家庭庁新設の地方自治への影響……稲葉一将
国家によって形成される「デジタル社会《の特徴/子どもと行政に及ぶ「デジタル化《/転形期の子どもと行政
Ⅱ 保育業務の SaaS 化とテック企業のデータ寡占―保育と一体で行われる子どもデータの収集……稲葉多喜生
SaaS で行われる保育データ収集の意味すること/企業任せとなっている個人情報収集/便利さの背後で進む、テック企業のデータ寡占化/子どものデータ連携で変わる保育
Ⅲ 教育 DX が学びと学校を変える…………………………児美川孝一郎
「Society 5.0 型教育改革《の構想―EdTech を通じた教育 DX の実現へ/GIGA スクール構想とコロナ禍の教育政
策/教育 DX は学びと学校をどう変える
学童保育を哲学する
子どもに必要な生活・学び・権利保障
増山均著A5判・並製カバー・150 頁/定価1870 円
コロナパンデミックのなか、学童保育の社会的な役割が増し
ています。そこにはさまざまな運営主体が参入し、多くの人
びとが関わっています。いま「学童保育とは何か《「学童保育
はどうあれば良いのか《という《理念の確認》が必要な時で
す。学童保育の歴史を見つめ、子どもの生活と遊び、権利保
障のあり方、地域との連携、子ども観など、学童保育をめぐ
る基本問題を、子どもを中心に置いて熟考(哲学)します。
【目次より】
学童保育/ 2「健全育成《とはなにか/ 3 学童保育における「保育《とはなにか/
4「遊び及び生活の場を与えて《とは?/ 5 支援・指導とはなにか/ 6 こども・子ど
も・子供・児童の表記と子ども観/ 7「子ども像《から「子どもたち観《へ/ 8 子ども
にとっての余暇・あそびとは何か/ 9「声なきこえ《を聴き「なにげない時間《と「吊
もない遊び《をも見守るゆとりを/10 学童保育が地域に目を向ける意味/11 子ども
の権利条約と学童保育/12 子ども時代は二度と来ない/13「こども家庭庁《「こども
基本法《の問題点とそのゆくえ/補論 放課後児童健全育成事業の目的及び制度内容
わたしたちの地方自治
●自治体を主権者のものに
岡田知弘著A5判・並製カバー・122 頁/定価1430 円
地方自治とは「何か《から説き始め、現在、政府が進め
ている「自治体戦略 2040 構想《やデジタル化といった
地方自治体の改変の狙いや問題点を明らかにします。そ
の一方で、小規模町村や大都市で生まれている自治体を
主権者のもとに取り戻す動きがあります。これらの自治
体を取り巻く課題を、地方自治の歴史も含めて、わかり
やすく解説します。学校や職場、地域での学習の参考書
として必携の一冊です。
【目次より】
1 コロナ禍で問われる国と地方自治体のあり方/ 2 地方自治や地方自治体は、そ
もそもいつからあったのか/ 3「革新自治体《の時代/ 4 現代の「地方分権《論と規制緩
和・民営化/ 5「平成の大合併《で地域はどうなったのか/ 6 大規模自治体における住民自
治をめぐるせめぎ合い/ 7 増田レポート=「自治体消滅《論の何が問題か/ 8「地方創生《
とは何だったのか/ 9「自治体戦略 2040 構想《とは何か/10「公共サービスの産業化《と
「Society 5.0《/11 コロナ下での第 32 次地方制度調査会答申/12「スマート自治体《はスマ
ートか?/13「公共私の連携《は、誰を幸せにするのか/14「広域連携《の意味するもの/
15 コロナ禍で明らかになった地方自治の重要性/16 大規模都市の自治体も住民のものに
学校統廃合を超えて
●持続可能な学校と地域づくり
編著者
山本由美:和光大学現代人間学部教授
平岡和久:立命館大学政策科学部教授
執筆者(執筆分担順)
中林 浩:神戸松蔭女子学院大学元教授/渡辺繫博:埼玉自治体問題研究所事務局長/有原陽子:四万十市下田地
域の明るい未来を願う会代表/坂野光雄:交野市一中校区の施設一体型小中一貫校設置の賛否を問う住民投票を成
功させる会事務局/石山雄貴:鳥取大学地域学部講師/田開寛太郎:松本大学総合経営学部講師 A5判・並製カバー・238 頁/定価 2750 円
身近な学校の統廃合が止まらない。子どもの成長、発達はどうなってしまうのか。そして、地域
社会に未来はあるのか。公共施設の再編政策と財政誘導で、学校の統廃合が強引に進められて
いる。そこでは、子どもの成長や地域の未来など置いてきぼりのままだ。効率と産業化を追求す
るこの事実を批判的に検証し、子ども、学校、地域を守ろうとする各地の取り組みを紹介する。
【目次より】
第1章 増加する学校統廃合と小中一貫教育=山本由美/第2章 新たな段階を迎えた高校統廃合=山本由美/第3
章 まちづくりにおける学校と小学校区の意味=中林 浩/第4章 公共施設再編政策と学校統廃合=平岡和久/第
5章「子ども《と「地域《を無視した学校統廃合 1埼玉県●埼玉における学校統廃合の特徴と問題点、対抗の視点
――子どもを大切にしないまちに未来はない=渡辺繁博/2高知県●四万十市立下田中学統廃合――子どもの「教
育・人権・命《より大学誘致を優先してよいのか=有原陽子/第6章 学校統廃合を超えて――「学校《と「地域《
の取り組み 1大阪府交野市●住民投票で小中一貫校の見直しを求めて=坂野光雄/2兵庫県●地域を探求し、地域
活性化策を考える村岡高校の実践=石山雄貴/3長野県●飯田 OIDE 長姫高等学校の取り組み=田開寛太郎
社会保障のあゆみと共同
社会保障の枠組、歴史、さらに協同との関係性を紹介
立教大学コミュニティ福祉学部教授・芝田英昭 著 A 5 判・並製カバー・160 頁/定価 1870 円(10% 税込)
社会保障は、私たちが生きていく上で必ず抱える生活問題を緩和・解決するための公
的な制度・政策や協同の取り組みです。その目的は、全ての人の「健康で文化的な生
活を保障《するもので、健康権・文化権・生活権等の基本的人権を保障する制度だと
いえます。しかし、基本的人権は、戦争ではしばしば侵害されます。平和であること
が社会保障の発展にもつながり、また社会保障の発展が平和に貢献できるともいえま
す。
本書では、社会保障の基本的枠組、歴史、さらに生命の尊厳、協同の力・運動・
実践と社会保障発展との関係性を学びたいと思います。 (本書「プロローグ《より)
【目次より】
第 1 章 くらしを支える社会保障の基本的枠組
1.世界では社会保障をどのように理解しているのでしょうか
2.日本における社会保障の理解
第 2 章 社会保障を考える基本的視点
1.生活問題と社会保障
2.社会保障充実の責任は誰にあるのでしょうか
3.社会保障の目的と機能
4.日本国憲法にみられる社会保障関連条文
5.社会保障の発展と力学
第 3 章 社会保障のあゆみ――イギリスにおける社会保障生成と発展の歴史――
1.社会保障前史
2.社会保障への途
3.社会保障成立の条件
第 4 章 日本における社会保障前史を知る
1.本源的蓄積期における救済制度――恤救規則の成立
2.恤救規則改正への動き
3.労働組合運動・相互扶助組織と民間企業による共済組合
4.軍事救護法と工場法の成立
5.飴と鞭の政策からの日本初の社会保険
6.救護法の成立
7.戦時体制下の社会保険の発展
第 5 章 第二次大戦後の日本における社会保障の成立と発展
1.第二次大戦敗戦直後の社会保障政策
2.体系的社会保障成立の第一歩「新生活保護法《の成立
3.社会保障情勢を厚生(労働)白書から読み解く
第 6 章 社会保障の現代的課題――「自助・共助・公助《論の本質――
1.戦後日本の社会保障確立期から貫徹している「自助《の視点
2.「互助《、「共助《、「公助《概念の変遷
3.「自助、共助、公助《と災害、及び自民党綱領との関係性
第 7 章 社会保障と協同の力を人間の尊厳から考える
1.尊厳の理解と人権への昇華
2.能力の協同性
3.能力の協同性の視点から協同の力を考える
デジタル改革と
個人情報保護のゆくえ
「2000 個の条例リセット論」を問う
庄村勇人・中村重美 著 A5判・並製カバー・80 頁/定価 990 円(10% 税込)
自治体は住民の個人情報を多く保有していることから、これまで個人情報保護条例により目的に合わせて個々の情報は慎重に取り扱われてきた。
ところが、デジタル改革関連法の成立により、住民の個人情報を“利活用”する方向が示され、個人情報保護条例は国の法律に合わせて「改正《
を強いられ、その監督権限も国に一元化される方向へと動き出した。こうした政策の変化に、自治体はどう対応すべきか。
本書第Ⅰ部では、地方自治の視点から、デジタル改革関連法における個人情報保護法制の内容を検証するとともに、住民の権利と団体自治を守るための自治体の課題や条例の論点を具体的に考える。第Ⅱ部では、自治体(世田谷区)の事例を通じて、デジタル改革の動きや個人情報保護条例改正に向け
た自治体の実情と課題を紹介する。
【主な内容】
Ⅰ部 自治体における行政のデジタル化と個人情報保護 庄村勇人
1 行政のデジタル化と個人情報保護法制改正の経緯
2 2021 年個人情報保護法改正の内容
⑴ 2021 年個人情報保護法改正の概要/⑵ 既存の条例と改正個人情報保護法との相違点
3 若干の検討
⑴ 自治体行政のデジタル化に伴う標準化・統一化への評価/⑵ 個人の尊重/⑶ 地方自治その 1 「2000 個問題《は「問題《なのか?/⑷ 地方自治その 2 国が法律で行うべき問題か?/⑸ 地方自治その 3 条例制定権/⑹ 地方自治その 4 事務・組織改編論
おわりに―憲法的価値の実現に向けて
Ⅱ部 世田谷区における行政デジタル化と個人情報保護をめぐる課題 中村重美
1 DX・「行政のデジタル化」 をめぐるこの間の経過
2 行政のデジタル化が世田谷区に与える影響と課題
⑴ 国の動きがストレートに区 「審議会」 に 「報告」 という形で持ち込まれた/⑵ 審議会を舞台に区条例の見直しをめぐる議論が展開された/⑶ 国の動きは区議会や区の実施計画等にも影響を及ぼしてきた
3 世田谷区における個人情報保護条例制定の経過と特徴
4 デジタル技術の利活用は、住民福祉の増進と人権擁護の視点を基礎に
デジタル改革とマイナンバー制度
情報連携ネットワークにおける人権と自治の未来
稲葉一将(吊古屋大学教授)・内田聖子(PARC 共同代表)著 A5判・並製カバー・84 頁/定価 990 円(10% 税込)
マイナポイントまで付与して「マイナンバーカードの交付申請《が促されている。政府はなぜ、そこまでの促進を図るのか?マイナンバーカードとマイナポータルを中心とする情報連携の意味することは何か?
本書第Ⅰ部では、マイナンバー制度の仕組みとデジタル社会におけるその政策的位置付け、暮らしへの影響と自治体行政の課題を整理する。
第Ⅱ部では、海外の自治体の取り組みに学びつつ、日本のデジタル化政策の在り方を問い直す。
【目次より】
Ⅰ部 マイナンバー制度の拡大と地方自治の未来 稲葉一将
1 マイナンバー「制度《の構成要素/2 デジタル社会の基盤としてのマイナンバー制度とマイナンバー制度の拡大によるデジタル社会形成/3 マイナンバー制度を基盤とするデジタル社会における地方自治の位置関係と課題
Ⅱ部 住民のためのデジタル化へ―海外の市民運動と自治体に学ぶ― 内田聖子
1 デジタルは万能薬か?/2 地方自治を後退させるデジタル改革関連法/3 デジタル改革関連法と同じ方向を向くスーパーシティ/4 トロント市では住民運動によってグーグルのスマートシティが撤退/5 バルセロナでは住民主体のスマートシティが/6 米国では自治体による監視技術禁止条例が/7 デジタル化万能に傾く政府の方針
アフターコロナの公衆衛生
ケアの権利が守られる地域社会をめざして
末永カツ子 編著 A5判・並製カバー・176 頁/定価 1870 円(10% 税込)
本書発刊の目的の一つ目は、コロナ禍によって、自治体、保健所、特別養護老人ホーム、高齢者デイサービスセンター、地域などでは、どういう問題が生じ、どのような取り組みが求められたのかを確認することである。
そして目的の二つ目は、それらの諸事象を人権の視点から捉え直し、長期的視点でアフターコロナ社会のあり方を考えてみることである。
【目次より】
第Ⅰ部 コロナ禍の最前線で
第 1 章 コロナ禍でクラスターが発生した事業所での取り組み
第 2 章 コロナ禍の高齢者入所施設での感染防止の取り組み
第 3 章 コロナ禍での自治体の取り組み――保健所と市町村との連携の必要性――
第 4 章 コロナ禍での地域の取り組み
第Ⅱ部 アフターコロナに向けて
第 5 章 コロナ禍前からの保健所数および保健師数の推移
第 6 章 コロナ禍で可視化された人権上の問題
第 7 章 ケアの権利が守られる地域社会をめざして
第 8 章 3.11 とコロナ対応を踏まえポストコロナ時代に向けて
コロナと自治体ー2*
感染症に備える医療・公衆衛生
編著:長友 薫輝(津市立三重短期大学生活科学科教授)/著:長平 弘(地域医療と公立病院を守る千葉県民連絡会)鈴木ひとみ(千葉県民主医療機関連合会事務局次長)松田 亮三(立命館大学産業社会学部教授)亀岡 照子(保健所を守る大阪市民の会)谷田 誠(滋賀県職員組合書記長)
A5判・並製カバー・158 頁 定価 1540 円(10% 税込)
政府は医療・公衆衛生体制を整備せず、むしろ抑制を主眼とした政策を継続してきた。その結果、コロナ感染拡大に各地域が対応できない状況となる。
本書は医療・公衆衛生政策の変遷、コロナ禍での各地域の病院、介護事業所、保健所などの対応と課題を紹介し、医療・公衆衛生体制の改善を提言する。
【目次より】
第Ⅰ部 コロナ禍の医療・実態と今後
1 コロナ禍で明らかになった地域医療の危機
2 地域住民のいのちを守る砦としての自治体病院に
3 新型コロナで鮮明になった医療・介護の現実
第Ⅱ部 コロナ禍の公衆衛生・実態と今後
4 新型コロナと日本の公衆衛生―その特徴と課題
5 保健所の統廃合がもたらした現実と今後の課題
6 コロナ禍で脆弱な県の人員体制が浮き彫りに
資料 全国自治体の新型コロナウイルス感染症への施策
2020 年 7 月~2021 年 10 月
「統計局のデータベース(e-Stat)まで対応した必携の一冊」
パソコンを用いて財政分析ができる!
五訂版 習うより慣れろの
市町村財政分析
●基礎からステップアップまで
大和田一紘・石山雄貴・菊池 稔 著 B5判・並製カバー・220 頁 定価2860 円(10% 税込)
さまざまなかたちで財政情報の開示が進められているなか、財政資料の使い方と財政分
析する際のポイントを示します。基礎編では、「決算カード」を活用した財政分析の基本
を丁寧に紹介し、ステップアップ編では、「類似団体比較カード」の見方、「特別会計」や
「補助費等《の分析と「合併自治体」の財政分析などを詳しく解説します。そして発展編と
して、統計局が管理するウェブサイト(e-Stat)から「地方財政状況調査」のデータの抽
出と財政分析方法について、パソコンの操作を示しながら解説します。
なお、オリジナルの「決算カード《の財政分析表と「財政状況資料集」を更新しました。
【目次より】
財政を学ぶ心構え・分析法方法
赤字か黒字かをみる「決算収支」
赤字団体?黒字団体?
自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる)
四大財源/一般財源と特定財源/経常と臨時/地方税/
地方交付税のしくみ/財政力指数 ほか
どこにおカネを使っているの?(歳出のしくみ)
目的別と性質別/「充当一般財源等」/目的別歳出と性質
別歳出をクロス/地方財政状況調査表(決算統計) ほか
様々な財政指標(指数等)を読む
わがまちの財政規模(標準財政規模)/自治体の「偏差値」
――「財政比較分析表」/余裕がある財政なの(経常収支比率)/借金の負担感/貯金はどれだけ(積立金)/将来の財政負担 ほか
ステップアップへ
類似団体比較カード/「特別会計」/補助金/基準財政需要額/合併した自治体の分析 ほか
PC を用いた財政分析
e-Stat を使用した決算統計の使い方/目的別歳出の
分析/性質別歳出の分析/ 誰もが財政白書をつくる
時代へ ほか
巻末付録
①決算カード「分析表」/②財政状況資料集
デジタル改革関連法が自治体の自治を奪う!
自治体DXでどうなる
地方自治の「近未来」
国の「デジタル戦略」と住民のくらし
本多滝夫・久保貴裕著 A5判・並製カバー・72 頁/定価935 円(10% 税込)
デジタル化政策の「司令塔《となるデジタル庁が業務を開始した。デジタ
ル化は自治体も例外ではない。デジタル改革関連法にそって、「自治体DX 推
進計画《のための組織づくりや情報システムの標準化・共通化などが進めら
れることになる。関連法では、個人情報保護条例のハードルをさげる=国と
の“統一化”も企図されている。
本書は、第Ⅰ部で、自治体行政のデジタル化が、自治体の変質、さらには地方自治制度の再編をもねらいとして進められていることを明らかにし、持続可能な生活保障や自治をより豊かなものとする
ためにデジタル技術とネットワークを利用した「地方自治デジタル・プラス」であるべきだと提唱す
る。
第Ⅱ部では、自治体DX 推進計画の具体的な内容や問題点を検討し、自治体からの改革(①推進
体制については民主的な組織運営とデジタル人材の地方公務員としての朊務規律の適用、②情報シス
テムについては自治体にカスタマイズする権利の保障、③オンライン化については窓口業務の積極的
な維持、④AI の活用は公務労働の質を高めるための補助手段にとどめる)を提案する。
【目次より】
Ⅰ 地方行政のデジタル化と地方自治 /本多滝夫
1 地方行政のデジタル化とSociety 5.0
2 デジタル化と資本主義の転回
3 地方行政のデジタル化と地方自治制度再編と
の関係
4 デジタル改革関連法と地方自治体
5 デジタル社会における自治体
おわりに 地方自治デジタル・プラス
Ⅱ 「自治体DX 推進計画」と自治体デジタル政策の課題/久保貴裕
1 「住民福祉の増進を図る」自治体の役割が発揮できるのか
2 デジタル政策の推進体制について
―公務の公正性が確保され、職員、住民の意見が反映されるのか
3 自治体情報システムの標準化・共通化について
―自治体独自の住民サービスは確保されるのか
4 行政手続のオンライン化について
―窓口のセーフティネット機能は確保できるのか
5 AI の活用について
―職員ぬきに住民とAI だけで完結させてよいか?
2025年、保育所利用者は減少に転じる!
子どものための保育制度改革
保育所利用者減少「2025 年問題」とは何か
中山 徹著(奈良女子大学生活環境学部教授) A5判・並製カバー・108 頁/定価1320 円(10% 税込)
2013 年から待機児童解消が政策的に進められ、2015 年には子ど
も・子育て支援新制度が始まり、2019 年から教育・保育無償化
もスタートした。2010 年代の10 年間は、保育制度、保育施策
それと連動して保育所などが大きく変化した。
そして、今、保
育所、幼稚園、認定子ども園は岐路に立っている。質を犠牲に
した量の拡大、行政責任の後退等、だれのための制度改革だっ
たのか。2025 年、保育所利用者は減少に転じる、ここで「子ど
ものため」の保育を真剣に考えなくてはいけない。保育環境の
改善に舵を切り本当の少子化対策の必要性を説く。
【目次より】
1章 2010 年代、保育制度・保育所はどう変わったのか
2章 保育所における2025 年問題
3章 2020 年代、公立施設の統廃合と児童福祉法第24 条第1 項の廃止が焦点
4章 公立保育所の役
5章 地域でどのように保育所を整備すべきか
6章 認定こども園化にどう対応すべきか
7章 統廃合か、最低基準の改善か、ここに最大の争点がある
森林伐採、景観破壊、地域社会との軋轢・・問題点と解決策を説く
再生可能エネルギーと環境問題
ためされる地域の力
傘木宏夫著
A 5 判・並製カバー・162 頁/定価1760 円(10% 税込)
「脱炭素《「脱原発依存《といった社会的要請を背景に、再生可能エネルギーの普及に対する
期待が高まり、同エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取るFIT(固定価格買取制
度)制定後、各地で開発が進んでいる。しかし、開発による山間地の森林伐採、景観破壊な
ど様々な問題が地域社会で噴出。本書では、開発が自然環境との調和を図りつつ、地域社
会の利益に繋がるように進めるには、地域の側に主体的な力が育つ必要があることを説く。
【目次より】
第1 部 再生可能エネルギーの基礎知識
第1 章 再生可能エネルギーとは
第2 章 多様な再生可能エネルギー
第3 章 国内外の普及状況
第4 章 普及推進策
第5 章 事前配慮促進策
第2 部 再生可能エネルギーの環境問題
第6 章 問題発生の構造
第7 章 太陽光発電
第8 章 風力発電
第9 章 バイオマス発電
第3 部 再生可能エネルギーと「地域の力」
第10 章 再生可能エネルギー開発の3 原則
第11 章 アセスメント
第12 章 地域内再投資力
第13 章 国際連帯
第14 章 仕事おこしワークショップ
コロナと自治体4
コロナと地域経済
岡田知弘編著(京都橘大学教授、 京都大学吊誉教授)編著 A5判・並製カバー・160 頁/定価1540 円(10% 税込)
国 ・ 自治体のコロナ対応を検証し、 基礎自治体を軸にした感染対策と地域経済再生の重要性を明らかにする。 また、 全商連による営業動向調査や自治体による中小企業支援策の独自調査からコロナ禍の実相と効果的な施策を検討。 併せて北海道帯広市での地域内経済循環をつくる取組みを紹介。
【目次より】
第1章 コロナ禍と地域・自治体
感染拡大の経過と現状/コロナ禍をどう見るか/地方自治と地域経済をめぐる展望と地域の自治力
第2章 激甚被災地・大阪の感染被害の実相と維新政治
コロナ禍のなかでの第2次住民投票に至る経過/大阪の地域経済社会再生の基本方向
第3章 中小商工業者をどう支えるのか
新型コロナ禍の中小商工業者の経営困難の実態/中小商工業者を支える直接支援策の役割/持続可能な地域
経済づくりに向けて
第4章 地域内経済循環のための連携[北海道・帯広]
十勝地域の概要/地域循環型経済を指向する農商工の連携/魅力的な地域経済の仕組みを求めて
コロナと自治体3
コロナがあばく社会保障と生活の実態
伊藤周平編著 (鹿児島大学教授)編著 A5判・並製カバー・124 頁/定価1430 円(10% 税込)
コロナで明らかになった社会保障の脆弱さを、 医療 ・ 介護、雇用政策の観点から検証し、是正策を提示。また、生活困窮と貧困の状況を具体的に示して、 支援に奮闘する民間団体の活動を跡づけ公的支援の必要性を訴える。 市民生活に即した支援策を展開する兵庫県明石市の取組みも伝える。
【目次より】
第Ⅰ部●コロナがあばいたもの
1 コロナ禍があばく社会保障の脆弱さと政策課題
コロナ禍で明らかになった医療政策の問題点と課題/コロナ禍で明らかになった介護政策の問題点と課題/
コロナ禍で明らかになった雇用政策の問題点と課題
第Ⅱ部●コロナに対応するネットワークと自治体
1 「死のうと思ったが死ねなかった。 最後だと思いメールした《
コロナ災害ではなく政治の責任による人災/新型コロナ災害緊急アクション/追い詰められている生活困窮
者自立支援の現場/コロナ禍が浮き彫りにした移民外国人の 「平等性《 からの排除と差別
2 兵庫県明石市の市民生活に即したコロナ対応
保健所がどのような役割を果たしたのか/コロナ対策としての市独自の17の施策/新型コロナウイルス感染
症の患者に対する支援及び差別禁止に関する条例の制定
コロナと自治体5
「学び」をとめない自治体の教育行政
朝岡幸彦・山本由美編著 A5判・並製カバー・136 頁/定価1430 円(10% 税込)
緊急事態宣言が繰り返される中で、どう感染リスクを減らして教育・学習を継続するのかが問われている。本書では「学び《をとめないための努力に光を当て、学校、公民館、図書館、NPO などの挑戦を紹介。あわせて、アメリカの教員組合が保護者・地域の方ととも
に「安全な《学校再開条件を勝ち取る過程のレポートからも多く学ぶことができる。
【目次より】
第1章 コロナ禍の下での教育・学習の権利と地方自治体 池上洋通
はじめに――生命の尊厳と学習・教育の権利/憲法の人権原則の確認①基本的な人権規定を中心に/②憲法
における権利保障の規定とその展開/憲法の教育権規定による教育・学習権保障と現実的な問題への提起/
「一斉休校《は憲法違反の行為である/地方自治制度の意義と「基礎的自治体最優先《の原則の実現
第2章 新型コロナ感染症に教育はどう向き合ったのか 朝岡幸彦
パンデミック下における医療資源の「配分と倫理《問題/学校一斉休校と学校における防疫指針/「学ぶ《権利を制限することは許されるのか
第3章 新型コロナ禍の公民館・図書館・自然学校の取り組み
1 新型コロナウイルス感染症拡大にともなう公民館の模索――試される「公民館の底力《 伊東静
2 新型コロナウイルス感染症と「図書館《――どうしなやかにまなびつづけるか 呉朊淳二朗
3 小規模自治体×自然学校NPO の挑戦――今こそ教育立村へ 辻 英之
第4章 アメリカにおけるコロナ禍の学校再開――シカゴ教員組合の事例を中心に 山本由美
コロナと自治体1
新型コロナウイルス感染症と自治体の攻防
平岡和久・尾関俊紀編著A5判・並製カバー・172 頁/定価(税込み1650 円)
ゼロコロナをめざす方策を提示。 医学的見地からコロナウイルスの特質、 変異株のメカニズム、 ワクチンの最新の知見を解説
し、 財政面からは政府の感染対策を批判的に検証し、 自治体財政の今後の対応を示す。
併せて、 東京・世田谷区の社会的検査、 広島県のPCRの集中検査、鳥取県の積極的疫学調査ほか、ワクチン接種・練馬区モデルおよび高知県・過疎地域におけるワクチン接種など、 自治体独自の先進的な対応を紹介。
【目次より】
はしがき●本書の意図 尾関俊紀
第Ⅰ部 新型コロナウイルス感染症対策を問う
1 新型コロナウイルスの検査とワクチン~徳田安春
感染力をみる防疫目的PCR検査の最新知見/コロナ対策ではゴール設定が大切/ウィズコロナ政策の副作用/ワクチン開発は国家安全保障/変異コロナウイルスの脅威/変異ウイルスに効くワクチンの製造/Back to the Future思考で考える大規模検査/世界モデルと身近な対応から学ぶ対コロナ戦略
2 新型コロナ禍と自治体の対応~平岡和久
災害としての新型コロナ禍/政府の対策と第三次補正予算/政府の新型コロナ対策、 何が問題か/地域と自治体の取り組みと公共部門の課題/補論: 緊急事態宣言解除後の対策のあり方
第Ⅱ部 新型コロナウイルス感染症に向き合う自治体の取り組み
1 東京都世田谷区●自治体として立ち向かう――PCR検査体制の拡充~保坂展人
2 広島県●新型コロナウイルスの社会的PCR検査の取り組みについて~大野正喜
3 鳥取県●新型コロナ対策――積極的疫学調査を中心に~ 市谷知子
4 東京都練馬区●ワクチン接種の取り組みと課題――練馬区モデル~齋藤文洋
5 高知県●過疎地域におけるワクチン接種の取り組みと課題~大川剛史・岡上則子
行政(公共)サービスはどうあるべきか
行政サービスのインソーシング
「産業化」の日本と「社会正義」のイギリス
榊原秀訓・大田直史・庄村勇人・尾林芳匡著A5判・並製カバー・136 頁/定価(本体1600 円+税)
行政(公共)サービスはどうあるべきなのか。日本では公的サービスのアウトソーシング、民営化、産業化が唯一の選択肢とされている。
一方、イギリスでは、最高詠歌、つまり、民間から公営に取り戻す、インソーシングの事例が見られる。それは民営化、産業化による弊害、
サービスの破綻・劣化が原因であり、公正を旨とする「社会正義」に根差した動きでもある。
イギリスでの調査をはじめ、現地の労働組合・市民団体等の社会運動を紹介し、日英比較を通して、これからの行政サービスのあり方を多角的に考える。
【目次より】
第1章 我が国の行政サービスの民間化の現状 榊原秀訓
1 政府における行政サービス民間化の政策/2 公務員制度の現状/3 行政サービスのアウトソーシングの手法
第2章 行政サービスのインソーシングと「社会的価値」・「社会正義」への注目 榊原秀訓
1 行政サービスのアウトソーシング/2 行政サービスのインソーシング/3 Brexitと行政サービス
第3章 イギリス流「社会」依存の行政サービス提供とインソーシング 大田直史
第4章 PFI事業の「検証」と「撤退」 庄村勇人
第5章 イギリスのインソーシングと社会運動 尾林芳匡
地域と自治体 第39集
「公共私」・「広域」の連携と自治の課題
原秀訓・岡田知弘・白藤博行編著・A5判 定価 (本体2300円+税)
コロナ禍への対応を理由と して 「行政のデジタル化」が最優先で進められている。 地方自治制度の抜本的な改
変をねらう 「自治体戦略2040構想」 とその具体化を諮
問された第32次地制調の答申は、 自治体の事務の標準化 (統一化) や全国的なクラウド化などのデジタル化具体策とどう関係するのか。 また、 「組織の枠超えとしての公共私の連携」論や「地域の枠越えとしての広域連携」論は、 デジタル化でどう具体化されようとしているのか。
コロナ禍の下で国が進めている地方自治制度再編の動向を分析し、 自律・ 自治の自治体論を考える。
【主な内容】
第Ⅰ部 「地方自治制度改革」 の論点
第1章 安倊・菅政権の「国家戦略」を読み解く 岡田知弘
第2章 コロナ禍から考える第32次地制調答申の論理と地方自治の原理 白藤博行
第3章 地方行政デジタル化の論点―自治体DXと地方自治― 本多滝夫
第Ⅱ部 「公共私の連携」論を読む
第4章 住民生活の実態と「公共私の連携」 浜岡政好
第5章 「小さな拠点」形成政策に関する批判的検討 関 耕平
第6章 公共私連携の法制度をめぐって 門脇美恵
第Ⅲ部 「広域連携」論を読む
第7章 地制調の広域連携論―その論点― 山田健吾
第8章 連携中枢都市圏の現状と課題 中山 徹
第9章 連携中枢都市圏・定住自立圏の実態と広域連携論 平岡和久
第10章 市町村合併を考える―合併特例法を中心に― 角田英昭
第Ⅳ部 自律・自治の自治体論
終 章 自律・自治の自治体間連携と地方議会
暮らしの中から社会保障を考えるために
社会保障法
権利としての社会保障の再構築に向けて
伊藤周平著A5判・並製カバー・466 頁/定価(本体3200 円+税)
社会保障の削減が進む現在、 生存権侵害という観点から社会保障のあ り方を追究する。
章ごとにひとつのテーマ、公的扶助(生活保護)、年金、社会手当、医療保障、労働保険、 社会福祉を取り上げ、 憲法との関係から現状の上備を検証する。
社会保障法の全体像をとらえた最新、最適なテキストにとどまらず、暮らしを社会保障から見直そうする人たち必携の一冊。
社会保障法辞典としても使える事項・判例索引完備。
【目次より】
第1 章●社会保障法総論 社会保障の概念と法体系/社会保障法と憲法/社会保障の権利
第2 章●公的扶助 (生活保護) 生活保護の沿革と現状/生活保護法の基本原則と適用/生活保護法の種類と方法、実施過程/生活保護法と生活困窮者支援の課題 他
第3章●年金 公的年金制度の沿革と概要/年金給付と年金受給権・給付水準/年金財政と年金保険料/年金保険の課題 他
第4章●社会手当 社会手当の意義と特徴/社会手当の概要と問題点 他
第5章●医療保障 医療保障法の沿革と法体系/医療提供体制/医療保険財政と保険料/高齢者医療/公費負担医療と公衆衛生/医療保障の課題 他
第6章●労働保険 労働保険の沿革と概要/労災保険の業務災害等の認定/雇用保険の給付/雇用保険事業と求職者支援制度 他
第7章●社会福祉 社会福祉法制総説/高齢者福祉と介護保険法/児童福祉の法/障害者福祉・雇用の法/母子・父子・寡婦福祉の法 他
第8章●社会保障の法政策と社会保障法の課題 社会保険の変容と社会保険の法政策的課題/社会保障法の課題 他 事項索引/判例索引
子どもたちはどこにいる
子どもの未来図
子ども期の危機と貧困化に抗する政策的課題
浅井春夫著A5判・並製カバー・188 頁/定価(本体1800 円+税)
コロナ危機の時代に未来図を描くことは、ポストコロナの
時代を創造していくうえで必要上可欠である。2020 年2 月
27 日の突然の小・中・高・特別支援学校の一斉休校の要請
(事実上の決定と朊従)が、政府の〈子どもへの無関心〉
によるものであったことは記憶しなければならない。いま、
子どもたちはどんな環境に置かれているのだろうか。貧困、
虐待、いじめなどの実際をつぶさにたどり、児童養護問題
から児童相談所、母親と子、子育ての現状を多角的に分析
して、時代を変えるための認識と運動のあり方を考える。
【目次より】
[はじめにかえて]
コロナ危機が現代社会に突きつけたものと未
来図―問われる現在から未来への構想力―
第1 章 子どもの未来図
第2 章 SDGs と子どもの未来の描き方
第3 章 子ども虐待への対応
第4 章 戦後の児童養護問題と実践の課題をとらえる―歴史から学び、現在の課題に立ち
向かう―
第5 章 子育て支援サービスの機能とその落と
し穴―女性に向けられた支援の実際と女性役
割機能の「強化」―
あとがき―ひとりで、ふたりで、みんなと未来
図を描いてみよう―
元気な高齢者を増やし、地方が抱える難問を解決する!
長寿社会の地域公共交通
移動をうながす実例と法制度
西村茂著 A5判・並製カバー・218 頁
定価(本体2000 円+税)
「お年寄りの移動する『足』がない!」。大都市では様々な移動手段は存在するが、地方では公共交通
が上便、空白の地域が多数存在する。しかし地方にも自治体独自の取り組みにより公共交通を維持す
る地域がある。本書はその興味深い具体例、教訓、課題を紹介するとともに、関連する法制度を紹介。
また公共交通を「公共サービス」として編成するフランスの法制度と地域公共交通の具体例も紹介し、
今後の日本の地域公共交通の在り方を提案する。公共交通上足に悩む自治体関係者、必携の一冊。
【目次より】
第1 部 なぜ移動政策が重要なのか
第1 章 長寿社会における移動の意義
第2 部 各地における独自の取り組み
第1 章 地域公共交通サービスの体系的整備をめざ
して
四万十市、土佐清水市、珠洲市、函館市、高山市
第2 章 自家用有償旅客運送の活用
佐井村、知内町、積丹町、泊村
第3 章 住民組織が運営するバス
町会運営のバス:函館市陣川あさひ町会、氷
見市山間部のNPO 法人による会員制バス
第3 部 法制度
第1 章 法制度の特徴と問題点
第2 章 交通政策基本法
第3 章 地域公共交通の活性化及び再生に関する法
律
第4 章 自家用有償旅客運送
第4 部 フランスのモビリティ基本法:比較法制度
第1 章 交通権と交通税の再検討
第2 章 上院報告書「無料の公共交通」
第3 章 モビリティ基本法:その背景と内容
第5 部 県の役割と地方都市の公共交通:フランス
現地調査より
第1 章 県による公共交通サービス
第2 章 地方の小都市におけるデマンド交通
コロナ禍のなか、自治体はどう予算を編成するのか
新型コロナ対策と自治体財政
緊急アンケートから考える
平岡和久・森 裕之著A5判・並製カバー・144 頁/定価(本体1500 円+税)
自治体は新型コロナウイルスへの対応に翻弄されている。住民の命と暮らしを守る最前線
に立っているのだ。
では、さまざまな施策を支える財源、予算はどう編成すればよいのか。
国の対策や補正予算措置を検討し、自治体の対策と予算対応のあり方を、短期、中長期の
財政運営を視野に入れて検討する。
併せて、都道府県、政令市、中核市の財政担当課に向
けて実施した緊急アンケートが、自治体の財政運営の実態と課題を浮き彫りにする。自治
体関係者を初め、住民、議員必携の一冊。
【目次より】
Ⅰ部 新型コロナ対策と自治体財政の動向・課題
1 新型コロナ対策と自治体財政 新型コロナ禍の地域経済/ 自然災害としての
コロナ禍と政策のあり方/ 新型コロナ第一波
と対策の問題点、教訓/ 自治体財政の仕組み
と見方/ 政府のコロナ対策と補正予算/ 地域
経済対策の展開と課題/ 新型コロナウイルス
感染症緊急包括支援交付金/ 新型コロナウイ
ルス感染症対応地方創生臨時交付金/ 自治体
の独自対策と財源確保策/ 政府の対策と財政
政策の課題/ 第二波、第三波における自治体
の対策と財政運営の課題
2 都道府県、政令市、中核市の財政担当課へ
のアンケート調査から見るコロナ対策と自治体財政の課題
アンケート調査の概要/ 各自治体の財政状況
と補正予算
3 自治体財政運営の課題
今後10 年以上にわたる地方財政の混乱/ 短
期的な財政運営/ 中長期的な財政運営/ 国による行財政措置
Ⅱ部 資料 アンケート回答内容
資料1 コロナ対策と財政に関する都道府県
アンケートの回答の整理/ 資料2 コロナ対
策と財政に関する政令市アンケートの回答の
整理/ 資料3 コロナ対策と財政に関する中
核市アンケートの回答の整理/ 資料4 自治
体のコロナ対策と補正予算に関する事例
介護の危機をのりこえるために
検証 介護保険施行20年
介護保障は達成できたのか
芝田英昭編著A5判・並製カバー・248 頁/定価(本体2200 円+税)
[執筆者]芝田英昭・河合克義・朊部万里子・井口克郎・日下部雅喜・森周子・
金淏垣・鈴木森夫・藤原るか(執筆順)
介護保険が目的とした「社会的入院の解消」「介護の社会化」
「介護離職の解消」等は達成できたのか。果たして介護保険は
必要とするサービスを提供しているか、市場化と営利に走る
介護現場の深刻な人材上足、保険者である市町村の混乱をど
うするかなど、介護保険が高齢者福祉に与えた影響を捉えつ
つ考察する。
また、介護保険の利用当事者として「認知症の
人と家族の会」の運動を跡づけ、劣悪な労働環境に置かれる
在宅介護の現場を報告する。併せて、同様な介護保険制度で
あるドイツ、韓国の現状レポートを収録。権利としての社会
保障の視点から「介護保障とは何か」を総合的に考える。
【目次より】
Ⅰ部 介護保険施行20 年―その変容と課題
第1章●介護保険の根源的な矛盾と将来像に対する視点/第2章●高齢者の生活実態と介護保
険/第3章●介護保険の誕生からたどる現在の課題/第4章●介護人材政策の総括と課題/
第5章●自治体はどう変えられようとしているのか
Ⅱ部 海外の介護保険に学ぶ
第6章●ドイツの介護保険改革/第7章●韓国の介護保険改革
Ⅲ部 当事者とケアワーカーからの報告
第8章●「認知症の人と家族の会」と介護保険/第9章●在宅で働くホームヘルパーにみる介護
保険の矛盾
デジタル化でどうなる暮らしと地方自治
自治体は国のデジタル端末になるのか?
白藤博行・自治体問題研究所 編 定価(本体1400 円+税)
コロナ禍のなかで、行政のデジタル化が声高に叫ばれ、官民で国民・住民の個人情
報を利活用しようという政策が進んでいる。その基盤づくりとして、行政のレベルで
は戸籍・税務・健康保険など自治体の行う事務の「標準化・統一化」と全国レベルで
のクラウド化が、国民・住民にはマイナンバーカードの取得が推進されている。
しかし、この仕組みでは、国民・住民の個人情報の大規模な漏洩が危惧されること
や、国民・住民が自己の情報をコントロールする権利の保障がどうなるかなど、検討
されるべき課題も多い。
本書では、政府が進めているIT 戦略の内容や自治体の実態にそって、行政デジタ
ル化が暮らしや自治体行政に何をもたらすかを考える。
【主な内容】
第Ⅰ部 行政デジタル化の論点
1 Democracy 5.0 と「地方自治+α」 白藤博行
―国家と社会のデジタル化時代における「新しい自治様式」の探究―
急加速するデジタル化政策/デジタル化政策の法制度地方行政のデジタル化政策と法制化/
Democracy 5. 0と「地方自治+α」―「新しい自治様式」の探究への第一歩を―
2 行政のデジタル化と個人情報保護 稲葉一将
行政のデジタル化の特徴と現段階/個人情報保護の状態と課題
第Ⅱ部 自治体情報化・クラウド化の現場
1 番号法施行後の自治体情報化 吉川貴夫
2 戸籍法の一部を改正する法律と今後の戸籍事務 神部栄一
3 マイナンバーカードの普及と自治体の現場 佐賀達也
4―1 税務の「標準化」「共有化」と自治体の課税権 原田達也
4―2 「標準化」「共同化」を先取りした京都地方税機構 川俣勝義
5 保険・医療行政のデジタル化をめぐって 神田敏史
6 AI・デジタル化と公務の現場 久保貴裕
人事評価、ワーク・ライフ・バランス、非正規職員、AI・ロボティクス
働き方改革と自治体職員
―ホントは「働かせ方」改革なのだ!―
黒田 兼一・小越洋之助編著 A5判・並製カバー・114 頁/定価(本体1200 円+税)
公務員の働き方、いや働かせ方はどう変わってきたのか。
今回の「コロナショック」でも分るように、自治体職員は災
害の前面に立つのだ。しかし、その人員は削減され続け、民
間委託へと流れ、人事評価・会計年度任用職員制度の導入、
そして「自治体戦略2040 構想」による更なる人員削減。これ
らは地方公務員の矜持と住民と寄り添う姿勢を破壊してきた。
そのことを明確に示して、「全体の奉仕者」としての地方公務
員と住民との関係のあるべき姿を追求する。
【目次より】
はじめに――公務員「改革」のこれまで、いま、これから
序 章 公務の世界でいま何が起きているのか
いま自治体の現場で何が起きているのか/医療と福祉の現場で何が起きているのか
第1 章 人事評価制度と給与
人事評価制度とは何か/人事評価とどう向き合うか
第2 章 自治体職員の労働時間とワーク・ライフ・バランス
自治体職員のワーク・ライフ・バランスと住民サービス/ワーク・ライフ・バランス職場をつくる
第3 章 公務公共を担う非正規公務員
「行政改革」と非正規職員の増加/会計年度任用職員制
度/非正規公務員の待遇改善
第4 章 AI・ロボティクス時代の自治体職員
AI・ロボティクスと公務労働/AI・ロボティクスの導
入事例/AI・ロボティクスとのつきあい方
補 章 自治体労働者の働き方・働かせ方はこう変わっ
てきた
革新自治体と自治体労働者/自治体民間化の中の自治
体労働者論
終 章 自治体戦略2040 構想と自治体職員
深く学ぶための読書案内
問われる新自由主義的グローバリズム 試される民主主義と地方自治
人口減少と危機のなかの地方行財政
―自治拡充型福祉国家を求めて―
平岡和久 著 定価(本体1700 円+税)
新型コロナ感染症への対応のなかで、公共部門の空洞化が明らかになりました。特に、感
染症の最前線である保健所は、縮小再編により数も職員も大幅に削減されていました。住
民生活と地域を維持するための公共部門や自治体の行政体制は、なぜここまで脆弱になっ
たのでしょうか。住民生活を守るために地方行財政はどうあるべきでしょうか。
本書では、新自由主義、財政再建至上主義、人口減少社会危機論のもとで進められてき
た国の集権的な行財政政策(市町村合併、公共サービスの縮小再編・アウトソーシング・広域化、
ふるさと紊税やトップランナー方式などの自治体間競争)や2040 構想を検証し、さらなる集権
的な制度改革(行政デジタル化を通じた住民管理・市町村の枠を超える圏域行政化・職員半減化な
ど)の途ではない、公共部門の再建と地方自治の拡充による行財政のあり方を考えます。
【主な内容】
1.危機下における財政―何が問題か―
新型コロナ対策と緊急経済対策をめぐって/市場主義
的グローバリズムからの転換と内発的発展を
2.安倊政権と人口減少社会危機論
地方創生戦略における積極戦略と調整戦略/地方創生
政策の背景としての社会保障財政危機論と東京危機論
3.「失われた20 年」と地方財政
小泉構造改革と地方財政/アベノミクスと地方財政
4.2020 年度政府予算と地方財政
5.自治体戦略2040 構想と地方財政
6.緊縮政策下での集権的地方財政改革を問う
ふるさと紊税制度/地方創生関係交付金/トップランナー方式/公共施設再編の促進/アウトソーシングの促進/公営企業の経営改革
7.連携中枢都市圏と地方財政
「自治体戦略2040 構想」下での連携中枢都市圏/「新た
な圏域行政」法制化問題の行方
8.小規模自治体の自律と自治体間連携
小規模自治体の自律プランの展開/自治体間連携のあ
り方と都道府県の役割
9.自治体現場に求められる政策分析
10.これからの地方財政
待望の全面リニューアル! 増補改訂版
地域づくりの経済学入門
地域内再投資力論
岡田知弘著 A5判・並製カバー・404 頁/定価(本体2700 円+税)
「コロナショック」は病床や保健所削減の誤り、そして東京
一極集中の危険性をはっきりと示した。これは住民の健康で
豊かな生活を置き去りにした行財政政策の過ちだといえる。
新自由主義的な構造改革による経済システムが脆弱性を示し
たということだ。いまあらたに、地域住民の自治による「地
域内再投資力」=地域内で繰り返し再投資する力が求められて
いる。全国各地での地域経済のさまざまな取り組みを分析し
て、人間の生活領域から経済の可能性を考える。
【目次より】
Ⅰ部 現代の地域づくりを考える
第1 章 地域と地域づくり
第2 章 経済のグローバル化と地域の変貌
第3 章 地域社会の持続可能性の危機
Ⅱ部 地域開発政策の失敗から学ぶ
第4 章 戦後地域開発政策の展開と地域
第5 章 プロジェクト型地域開発と地域
第6 章 企業誘致で地域は豊かになるのか
Ⅲ部 地域内再投資力と地域内経済循環
第7 章 地域開発から地域の持続的発展へ―地域内再投資力―
第8 章 「一村一品」から地域内産業連関の構築へ
第9 章 小さいからこそ輝く自治体―地方自治と地域づくりの原点を探る―
第10章 都市の「空洞化」とまちづくり
Ⅳ部 地域内再投資力と地域住民主権
第11章 市町村合併で地域は豊かになったのか
第12章 地域づくりと地域住民主権
住民のための公共サービスを求めて!
自治体民営化のゆくえ
公共サービスの変質と再生
尾林芳匡著 A5判・並製カバー・142頁/定価(本体1300 円+税)
自治体民営化はどこに向かっていくのか。政府は公共サービス
の民営化を進める法律を次々とつくり、住民をないがしろにし
た企業偏重の政策を展開している。PFI や指定管理者制度、地
方独立行政法人等の仕組みと問題点を明らかにして、役所の窓
口業務、図書館を初め公共施設の実態、そして医療、水道、保
育の現状を検証する。公共サービスの変質を指摘し、主権者で
ある市民による再生への取組みを紹介。
【目次より】
Ⅰ 自治体民営化を進める法制度
1 自治体民営化を進める法制度のあらまし
2 「公共サービス」を考える視点
3 政府が推進する自治体民営化
4 自民党憲法草案にみる福祉国家の変質
5 世界で進む「再公営化」
Ⅱ PFI の現状と課題
はじめに
1 PFI とは
2 PFI 法とは
3 これまでの実施状況
4 多くの問題事例
5 相次ぐ法改正による拡大
6 PFI 事業契約の実例―都立がん・感染症センター
7 運営権(「コンセッション」)契約の実際
8 変化の激しい時代にふさわしくないPFI・コンセッション
Ⅲ 公の施設の指定管理者
1 公の施設の指定管理者制度の仕組み
2 公の施設の指定管理者制度の運用状況
3 指定管理者制度の問題点
4 発生する問題の根本問題と総務省の対応
5 最近も続く問題
6 指定管理者制度の根本問題は解消していない
Ⅳ 地方独立行政法人
1 地方独立行政法人の特徴
2 制度の仕組み
3 地方独立行政法人の問題点
4 窓口業務の外部委託の問題と地方独立行政法人法改正
5 地方独立行政法人の実例
Ⅴ 民営化の問題点と守られるべき公共サービスの質
1 窓口業務/2 体育施設・都市公園/3 図書館/4 医療/5 水道/6 保育
必ずわかる入門書!
市民と議員のための自治体財政
● これでわかる基本と勘どころ
森 裕之著 A5判・並製カバー・166 頁/定価(本体1500 円+税)
まちの財政はどうなっているのでしょうか。「財政」を「家計」に置き換えて、例
えば、「収入と支出」「貯金と借金」など、身近なお金の動きと比較対照して自
治体財政の仕組みを分かりやすく解説します。
財政の根幹を理解することで、わたしたちが暮らす自治体の公共サービスやお金の
流れが見えてくる画期的な入門書です。
【目次より】
はじめに■本書の意図
1 財政をわかりやすく理解するコツ
2 財政と家計の「言葉の違い」
3 決算カードを学ぶ――自治体財政の基本データ
4 地方財政状況調査表――決算カードより詳しく調べたい場合
第1章 歳入の基本■家計で理解する
1 歳入の概略
2 家計で歳入を理解する
3 歳入の説明
4 一般財源と特定財源―一般財源が「自分の財布のお金」
第2章 歳入の実際■現実の制度はどのようなものか
1 地方税
2 地方交付税と臨時財政対策債
3 国庫支出金(補助金)
4 地方債
第3章 歳出■わかりにくい点を中心に
1 目的別歳出と性質別歳出――同じ歳出を二通りに分類する
2 目的別歳出
3 性質別歳出
第4章 財政収支■自治体財政の黒字と赤字
1 4種類の財政収支の指標
2 赤字団体の状況
3 自治体の財政赤字
第5章 財政指標■自治体財政の危機の把握のために
1 財政力指数
2 経常収支比率
3 健全化判断比率
4 自治体の財政危機と財政収支・財政指標
第6章 これからの自治体財政のあり方
1 財政分析の「視座」の大切さ
2 抑制される一般財源の予測
3 「小さな自治体」と「大きな自治」
4 自立的な地域社会の創出
――巨大システムへの依存から脱却する
あとがき
自治体問題研究所が発行、出版している、このほかの書籍については、こちらをご覧ください。
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